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第十七話 夜の星と誓いの灯

夜、王都は光に包まれていた。

人々が手に灯を掲げ、

空には花のように星が散っていた。


塔の窓辺で、ミツヨーナは外を眺めていた。


「……人の光って、ほんと綺麗ね」


背後から足音。

振り向くと、レオネルが立っていた。


「ここにいたのか。

皆が下で君を探している」


「アタシはね、騒ぎより余韻が好きなの。

光って、少し離れて見るほうが綺麗でしょ?」


「確かに。

でも、君がいなければこの光はなかった」


「王子、口が上手いわね。

でもアタシ、褒められるとすぐ調子乗るのよ」


レオネルは微笑む。


「ミツヨーナ。

僕は王として強くありたいと思っていた。

でも今は、それよりも優しくありたい。

君に教えられたよ」


「優しさってね、誰でも持ってるのよ。

ただ、出すタイミングが難しいだけ。

アタシも昔、間違えて怒鳴ったことあるもん」


二人は笑った。

その笑い声が風に溶けていく。


ふと、レオネルの顔が曇る。


「……父上の病が治っても、国はまだ不安定だ。

南の砦で反乱の噂がある」


「また厄介な話ねぇ。

せっかく花が咲いたのに、誰かが踏もうとしてるの?」


「そうかもしれない。

でも、僕は剣でなく言葉で止めたい」


ミツヨーナは目を細め、

そっと彼の肩を叩いた。


「言葉の剣、ね。

アタシ、それ好きよ。

切れ味は鈍いけど、傷跡が優しい」


レオネルはミツヨーナの手を握った。


「この国を、君と守りたい」


ミツヨーナは微笑み、夜空を見上げた。


「王子。

アタシは神でも兵でもないけど、

人を笑わせることなら得意よ。

それでよければ、何度でも一緒に立つわ」


風が吹き、花びらが夜空に舞った。

星の光と混ざり、空にひとつの模様を描く。


「……夜が明けたら、また笑顔でね」


ミツヨーナの声はやさしく、

そのまま星の光に溶けていった。

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