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バウンドレス・アイズ  作者: フィーネ・ラグサズ
ロード・ドント・スロー・ミー・ダウン

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第41話 あとがき

 今回のインタビューはコロニー「ヒース 2nd」の完成式典にあわせて行いました。

 華々しい始まりの日にコロニー「ヒース」の放棄を振り返るのはどうか、とも思いましたが、この日しかない、と実行しました。心よく応じてくださった皆々様に改めてお礼を申し上げます。

 そして、私たちが幸運を掴み取れますよう信じています。



 まとめなおした文章をワーキンググループに共有すると、加筆修正の要望や感想がどっと流れ始めた。おおむね、好意的な意見が多いので私は手ごたえを感じる。

 同じようにインタビューして記録に残そう、という動きも現れた。私以外の視点が増えるなら歓迎したい。何か言おうとしたがうまく言葉にできない。

 しばし考えて、ここで干渉すれば、私の関わったものになってしまうことに気が付く。関わらないことが重要なのだと認識を改めて、私はチャットを後にした。



「攻めた文章ですね」


 振り返ると、展望室の出入り口にスノードロップが立っていた。


「ええ、少しぐらいは攻めておかないと心に残りませんからね」


 スノードロップは横に静かに座ると、笑顔になって、


「同感です」


 彼女の視線の先、投光器に照らされて浮かび上がる巨大建造物があった。HEATH 2.0で使う気象観測衛星を打ち上げるためのマスドライバーだ。

 マスドライバーの足元、各コロニーから来た試作機の入ったコンテナの間で、若い技術者たちが議論している姿が見えた。声までは聞こえないが、身振りから熱量が伝わってくるようだ。

 まだ温かいオニオンスープを飲んで、私は一息ついた。聞いて回っているうちに心の芯が冷えていたようだ。


「次の10年、予測もつきませんね」


 そう呟いた私にスノードロップは、


「きっと、楽しくなりますよ」

「楽しくできるといいのですが」

「できますよ」

「根拠はありますか?」


 スノードロップは窓辺まで歩いていくと、マスドライバーを見る。彼女の視線の先、よく見ればアスチルベのロゴが入ったコンテナもあった。投光器の光は、ビーチ・パールウォートやチューリップのロゴをも順に浮かび上がらせていく。


「私たちは数多の困難を乗り越えてここまできました」


 「私たち」と彼女が呼ぶ年月の長さを私はあえて尋ねなかった。

 彼女は私を振り返り、はっきりと告げる。


「これから先も乗り越えられます。やってやるだけです」


 古代に行われていた予言のように。


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