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第十九章:血の約束
廃工場の瓦礫の中、血に染まった二人の男が背を合わせて立っていた。
敵の銃弾と刃が雨のように降り注ぐ中、彼らの絆だけが唯一の盾だった。
覇真は吐血しながらも、力なくも目を閉じた。
功二がそっと覇真の肩に手を置く。
「兄弟……お前と交わしたあの日の約束、忘れてねぇ」
覇真は弱々しく頷き、かすれた声で応えた。
「……俺もだ……功二……」
二人は血と泥にまみれた手を重ね合い、
かつての仁義と友情を再び確認した。
その瞬間、遠くで救急車のサイレンが聞こえた。
生き延びた者たちのための、わずかな希望の灯だった。
だが、この約束は決して過去への回帰ではない。
血の業火はまだ消えず、新たな闘いの始まりを告げていた。