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第十八章:血塗られた決戦
夜空を切り裂く稲妻のように、鈴鹿一家の廃工場に轟く銃声。
鉄の匂いと血の臭いが充満し、地響きが響く。
覇真は鋭い目つきで功二を見据えた。
兄弟の絆は砕け散り、憎悪と狂気だけが二人を支配していた。
拳と刃が激しくぶつかり合う。
火花が散り、血が飛び散る。
切り裂かれ、打ちのめされても、二人は倒れず、倒さず。
「お前だけは……俺を殺せる唯一の男だ」
覇真の声は荒くも、どこか哀しみを帯びていた。
功二もまた、傷だらけの体で応える。
「俺もだ……兄弟として最後に、これだけは認めてやる」
激闘の果てに、二人は互いに倒れ込み、血まみれで疲弊していた。
しかし、決着はついていなかった。
そこへ、敵の襲撃が迫る。
二人は一時の休戦を強いられ、共闘して襲撃者を迎え撃つ。
荒れ狂う戦場の中、二人の絆の断片が一瞬だけ顔を出す。
血と狂気に塗れた夜は、まだ終わらない。