第十四章:血の断罪
夜の闇が鈴鹿一家の事務所を覆う。
冷たい月光が割れた窓から差し込み、床に散らばる血痕を淡く照らしていた。
覇真は幹部を集め、厳しい眼差しで告げた。
「功二の離反は組織の裏切りだ。断じて許されぬ背信。これ以上の混乱を招かぬためにも、断罪を下す」
幹部たちは頷き、鋭い刃物が次々に抜き放たれた。
鈴鹿一家の血の掟は冷酷だった。
対象となったのは功二の近しい者たち。
裏切り者として裁かれ、無惨な拷問と殺戮が繰り返された。
血と呻き声が響き渡る地下室。
鎖で縛られた者たちは苦悶の表情を浮かべ、拷問者の狂気の手が容赦なく襲いかかった。
覇真は冷静に、その場を見守る。
しかし、彼の心には激しい葛藤と狂気の炎が渦巻いていた。
「これが、血の断罪だ。裏切りは命で償え」
だが、その言葉が虚しく響く中、覇真の胸には功二への複雑な感情が渦巻いていた。
憎悪と友情、狂気と哀惜が混ざり合い、彼を蝕んでいた。
断罪の夜が明け、鈴鹿一家は一層冷え切った空気に包まれた。
組織は血で清められたが、その代償は余りにも大きかった。
覇真は決意を新たに、さらなる狂気の道を歩み始める。
彼の胸には、復讐と支配の炎が燃え盛っていた。