第十二章:血の浄罪の儀式
鈴鹿一家の地下室。
薄暗い空間に、蝋燭の揺らめく炎が不気味な影を落としていた。
部屋の中央には、血のついた石板が置かれ、その周囲に組員たちが円陣を組む。
覇真は祭壇の前に立ち、冷たい眼差しで皆を見渡す。
「これから、我々は罪を血で洗い清める。過去を断ち切り、新たな契約を結ぶのだ」
組員の一人が、深く息を吸い込みながら言った。
「教祖様、儀式の詳細を教えてください」
覇真はゆっくりと頷き、声を落とした。
「まず、全員が左小指を切り落とす。血を祭壇の石板に垂らすのだ。血は誓いの証となる」
部屋の空気がさらに重くなり、組員たちは次々に左小指を切り落とし、血を滴らせていく。
血が石板を赤く染める様はまるで、生きた地獄の風景だった。
覇真はその血を指で撫でながら続ける。
「血は我らの絆。血は罪の証。血を流すことで、我々は浄化される」
やがて、儀式は最高潮に達し、組員たちは一斉に叫び声をあげた。
その声は、鈴鹿一家の新たな夜明けを告げる呪詛のように響いた。
儀式の終わり、覇真は深く息をつき、祭壇の血に手を浸した。
その手を高く掲げ、冷徹な誓いを口にする。
「これが我々の未来だ。血の浄罪と共に、新たな世界を創るのだ」
組員たちはその誓いに応え、血の兄弟としての絆を強めていった。
しかし、その代償は計り知れず、血はさらなる狂気と破滅への道を開くのだった。