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オープニング

(スタジオは薄暗く、中央の演台に立つあすかにスポットライトが当たっている。彼女は微笑みを浮かべ、手にした光るタブレット「クロノス」を操作している。)


あすか:「――歴史のとばりが開き、星々が囁きかける。数多の物語が生まれ、そして消えていった悠久の時の流れの中、ひときわ強く輝きを放つ英雄たちの時代がありました。皆さま、ようこそおいでくださいました!ネット配信番組『歴史バトルロワイヤル』へ。わたくし、自称『物語の声を聞く案内人』、あすかが今宵も皆さまを時空を超えた対談の旅へとご案内いたします。(クロノスを宙に掲げると、スタジオの背景に番組タイトル『真・三国志最強王決定戦~軍師も猛将も君主も大舌戦!~』が勇壮な音楽と共に投影される)」


あすか:「今宵、このスタジオに集いしは、約1800年の時を超え、三国時代の中国大陸にその名を刻んだ伝説の英雄たち。彼らがこの場で競い合うテーマは、シンプルにして究極…そう、『三国志最強』!武勇か、知略か、人徳か、あるいは成し遂げた覇業か…。一体、何をもって『最強』と呼ぶのか?その答えを、今宵、彼ら自身の言葉から見つけ出しましょう。(クロノスを操作する)クロノス、最初の英雄をお願い!」


(あすかの言葉に応じ、スタジオの一角に設置された円形のゲート――スターゲートが青白い光を放ち、重厚な起動音と共に回転を始める。スタジオ内の空気がわずかに震えるのを感じる。)


あすか:「さあ、最初に登場なさるのはこのお方!劉備玄徳に三顧の礼をもって迎えられ、その深遠なる知略で蜀漢の礎を築いた不世出の天才軍師!後世に『臥龍』と称えられし賢人!諸葛亮孔明殿です!」


(スターゲートの光が一層強まり、中から静かに人影が現れる。羽扇を手に、落ち着いた灰色の道服を身にまとった諸葛亮が、ゆっくりとスタジオに足を踏み入れる。その眼差しは深く、全てを見透かすかのようだ。彼はあすかに軽く一礼し、指定された席へと進む。)


諸葛亮:「(席に着き、あすかに向かって穏やかに)お招きいただき、恐悦至極に存じます。このような場で、後世の方々に見守られながら議論を交わす機会を得るとは…実に興味深い。」


あすか:「孔明殿、ようこそおいでくださいました。その知略、今宵も存分に振るっていただければと存じます。…さあ、クロノス、次なる英雄を!」


(再びスターゲートが起動する。今度は先程とは打って変わって、荒々しいエネルギーがゲートから溢れ出すかのようだ。)


あすか:「続きまして、『人中の呂布、馬中の赤兎』と謳われ、その武勇は三国志において並ぶ者なし!一騎当千の武勇を誇り、戦場を疾駆した最強の猛将!呂布奉先殿、ご登場です!」


(スターゲートから、まさに獣のような覇気をまとって呂布が飛び出してくる。肩には愛馬・赤兎を思わせる深紅の意匠が施された鎧をまとい、手には方天画戟のレプリカを握りしめている。彼はスタジオ全体を睥睨し、鼻を鳴らしてから豪快に席に着く。)


呂布:「(席にドカッと腰を下ろし、他の空席を一瞥して)フン、俺を呼んだってことは、誰が一番強いかハッキリさせんだろうな?小難しい話は抜きだぜ!」


あすか:「(苦笑しつつ)呂布殿、その圧倒的な武力、今宵の議論に嵐を巻き起こしてくださることを期待しております!…クロノス、休む間もなく、次のお方です!」


(スターゲートが三度起動。今度は温かく、包み込むような光が満ちてくる。)


あすか:「そして、このお方をおいて『魅力』は語れません!仁徳と義侠心で数多の英雄豪傑を惹きつけ、逆境の中から立ち上がり、ついには蜀漢の初代皇帝となられた、民に愛されし君主!劉備玄徳殿、どうぞ!」


(スターゲートから、穏やかな笑みを浮かべた劉備が姿を現す。質素ながらも品のある衣服をまとい、その佇まいには自然と人が集うような温かみがある。彼は丁寧にあすかと先着の二人にお辞儀をし、ゆっくりと席に着いた。)


劉備:「(席に着き、一同を見渡して)このような不思議な場にお招きいただき、感謝申し上げる。孔明、そして…奉先殿もご壮健そうで何よりだ。(呂布に軽く会釈するが、呂布はそっぽを向く)皆と語り合えることを楽しみにしている。」


あすか:「劉備殿、その海のような徳の力、今宵も私たちを魅了してください。…さて、クロノスよ!最後にして、この時代の覇権に最も近づいた英雄をお呼びしましょう!」


(スターゲートが最後に起動する。その光は力強く、野望と自信に満ち溢れているかのようだ。)


あすか:「『治世の能臣、乱世の奸雄』とその才を評され、数多の戦いを制し、中原の覇者として魏の礎を一代で築き上げた稀代の英雄!合理的な精神と非情な決断力で時代を動かした風雲児!曹操孟徳殿、ご降臨です!」


(スターゲートから、威風堂々とした曹操が登場する。その鋭い眼光はスタジオ全体を射抜き、口元には自信に満ちた笑みを浮かべている。彼は誰に媚びるでもなく、しかし王者としての風格を漂わせながら、悠然と最後の席に着いた。)


曹操:「(席に着き、腕を組んで他の三人を順番に見渡し)ふははは!面白い趣向ではないか。孔明、呂布、そして…玄徳か。久しいな。この曹孟徳の覇業を前に、貴様らが何を語るか、見物させてもらおう。」


あすか:「(一瞬、曹操の覇気に圧倒されそうになるが、すぐに冷静さを取り戻し)曹操殿、ようこそおいでくださいました。皆さま、これで今宵の論客、四名の英雄が揃い踏みです!(クロノスを操作し、四人の名前と顔を空間に表示する)改めて、この歴史的な対談のテーマは『三国志最強』!早速ですが、皆さまにこのテーマについて、率直なご意見を伺いたいと存じます。まずは、孔明殿。あなたにとって『最強』とは、どのようなものとお考えでしょうか?」


諸葛亮:「(羽扇を静かに揺らしながら)『最強』、ですか。それは単に武勇に優れることでも、一時的な勝利を得ることでもありますまい。真の『最強』とは、深き知略をもって長期的な視野に立ち、民を戦乱の苦しみから救い、国を安寧に導く力。そして、その功績が後世において揺るがぬ評価を得ること…そう考えます。故に、武、知、徳、そして結果、全てを総合的に見る必要があるでしょうな。」


(諸葛亮の言葉に、劉備は深く頷き、曹操はフンと鼻を鳴らす。呂布は少し退屈そうだ。)


あすか:「なるほど、多角的な視点が必要であると。では、呂布殿。孔明殿のお話、いかがでしたか?あなたの考える『最強』とは?」


呂布:「(腕を組み、ふんぞり返って)ハッ!ごちゃごちゃ言ってやがるが、要は一番強い奴が『最強』だろうが!難しいことは知らねえ!目の前の敵を全部ぶっ倒して、欲しいものを全部手に入れる!それが強さってもんだ!知略だか徳だか知らねえが、俺の方天画戟の前じゃ、そんなもん全部吹き飛ぶぜ!」


(呂布の言葉に、諸葛亮は眉をひそめ、劉備は困ったように微笑む。曹操は面白そうに口角を上げる。)


あすか:「(苦笑しつつ)実力行使こそが最強、と。実に呂布殿らしいお考えです。では、劉備殿にお伺いします。お二人のご意見を踏まえ、劉備殿の考える『最強』をお聞かせいただけますか?」


劉備:「(穏やかながらも、芯の通った声で)武も知も、確かに大切です。しかし、それだけでは真の『最強』とは言えぬのではないか、と私は思います。人を惹きつけ、心を一つにし、共に困難に立ち向かう…その『徳』の力こそが、最も尊く、そして強いものだと信じております。民が心から頼り、付き従いたいと思う…それこそが、乱世を照らす光であり、真の強さの証ではないでしょうか。」


(劉備の言葉に、諸葛亮は静かに同意の表情を見せる。呂布は興味なさそうにそっぽを向き、曹操はどこか嘲るような、あるいは何かを試すような眼差しを劉備に向ける。)


あすか:「人徳こそが真の強さ…。心に響くお言葉です。さて、最後に曹操殿。これまでの皆さまのご意見、そして曹操殿ご自身の『最強』論をお聞かせください。」


曹操:「(ゆっくりと口を開き、他の三人を睥睨するように)孔明の言うことも一理ある。玄徳の理想も、まぁ、美しいとは言えよう。呂布の武は…確かに脅威ではあったな。」

(呂布が少し得意気になる)

「だがな、所詮はどれも一部分に過ぎん。『最強』とは結果だ!この乱世において、誰が最も広大な版図を治め、最も多くの才能を集め、新たな時代の礎を築いたか!理想を語るのは結構だが、それを現実に成し遂げる力、それこそが『最強』の証よ。この曹孟徳が歩んできた道こそが、その答えを示しているとは思わんかね?」


(曹操の言葉には絶対的な自信が満ちており、スタジオの空気がピリッと引き締まる。諸葛亮は冷静に曹操を見つめ、劉備は静かに首を横に振る。呂布は曹操の言葉の後半はあまり聞いていない様子だ。)


あすか:「結果こそが全て、と…。皆さま、それぞれの『最強』の形、そしてその信念、オープニングから火花が散っております!これは、この後の議論がますます楽しみになってまいりました!それでは、英雄の皆さま、準備はよろしいでしょうか?『真・三国志最強王決定戦』、最初のラウンドへと参りましょう!クロノス、最初の議題を!」


(あすかがクロノスを操作すると、スタジオ中央の空間に最初のラウンドテーマが浮かび上がる。対談者たちの表情には、期待、あるいは闘志が宿り始める。)

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