プロローグ
今回は、この作品を見て下さりありがとうございます。拙い文章ながら楽しんで下さったら幸いです。
お父さん!お母さん!起きてよ!美恵が動かないんだ!
どうちゃったんだよ!
1人の少年が血の海に沈んだ家族の亡骸を必死に揺り起こそうとしている。
『何を言っているんだ?分かってんだろ、お前のせいだって事を?』
天使の化け物は口を三日月のように裂いて、少年を嘲笑うかのように現実を突きつける。
そうだ……みんな“ぼく”のせいで……ううぅ…うううわぁぁ――!!
少年は血の海の中で、突きつけられた現実に泣き叫ぶ。
化け物の哄笑と少年の慟哭の酒が響くなか、
少年は―――
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎
「ッツ――」
ガバッ
「ハァハァ……」
ああ、またあの時の夢を……いや、だからこそ俺は……
ブウウッブウッ
「んあぁ?」
『着信 赤山大介』
ああ、赤山さんからだ、なんだろう?
「はい、最上です」
『おい、黒太!もう十時だ!とっくに集合時間の八時を過ぎてるぞ!』
「えっ?」
赤山さんに言われ、ふと、時計を見る。
午前 十時
冷や汗が滝のように流れる。しばらくフリーズし、そして――
「やっべ!?」
『おい黒太?おーい?こりゃ行っちまったな、はぁー全く忙しないな、でもこうでもしないとあいつは…』