フレンズなら友達でしょ(脅迫)
新しい出会い。
新しいときめき。
可愛いお友達デキターー。
「はッ!!?」
悪夢から目を覚ます。ブスに囲まれるなんてまっぴらごめんだ。
ベットから立ち上がった俺は、すぐさま洗面台の前に向かう。
うむ、今日もイケメンだ。悪夢ごときで私の完全性は失われないのだよ。
自分の美貌に酔いしれているうちに、気づけば二時間が経過していた。
適当にヨーグルトを食べ、前髪をセットし、襟を正し、めざましジャン○ンに勝利して、慌てて家から飛び出す。
通学路を疾走するイケメン、ラブコメが始まる予感がプンプンするぜ。前方の曲がり角に大きな期待を寄せながら、走る。ただがむしゃらに走る。
「いっけな〜い、遅刻遅刻〜!」
飛び出してくる有機物を視認した瞬間、俺の期待は死んだ。
揺れるポニーテール。跳ねる美乳。締まったウェストに、柔らかそうな尻。男なら誰でもむしゃぶりつきたくなる肉体。当然ながら、美少女であるべき存在だ。
しかし、上に付いた顔は、大きく期待を裏切るものだ。
薄い眉毛。二重だが、大きすぎる涙袋。長すぎるまつ毛は、黒目の大きさも相まって、エイリアン感を高める。鼻筋も、整形したみたいに不自然に細いので、ガチのブスだ。
幼馴染(笑)に認識されないために、俺は、音の速さを超える。
「(うおーーー!もて、俺の両足!!!)」
教室にたどり着いた時には、汗だくになってしまっていた。リアル水も滴るいい男として、女子から、だけでなく男子からも熱い視線を送られる。ウホッという鳴き声は気のせいだ。きっとそうだ。
「よう、高橋」
こいつは、隣の席の近藤。眼鏡をかけた優等生風の男だ。しかし実情は、
「どうだ、彼女出来たか?なあ、早く紹介してくれよ。できれば清楚系巨乳美少女か、運動部のマネージャー美少女がいいな〜。あ、でも待てよ。あえてギャル系美少女という手も……」
NTRにしか興味がない本物のクズだ。美少女好きという点で共鳴し、交友を続けているが、こいつをいつか始末しないと、間男になることが約束されている。
間男に必要なのは巨根と勇気だけだが、この男はさらに、無駄にハイスペックな知能を持っている。かなりの強敵だ。
「おはよう、高橋」
前の席の友田が話しかけてくる。正直なところ、近藤よりこいつの方が有害だ。
「そういえば、朝、美川ちゃんに会ったよ。焦ってたみたいで転んじゃっててさ。僕がおぶって登校してきたよ。今は保健室にいるみたいだからさ、後で会いに行ってあげなよ」
少しお節介だが、いい奴と思うかもしれない。
「(友人キャラの俺が彼女たちを救うには、高橋から遠ざけるしかない。悪虐非道なこいつの毒牙にかからないように、俺が頑張らないと)」
なぜ俺にこいつの思考が分かるのかって?それは、こいつが思考を声に出してしまう馬鹿だからだ。非常に小さな声だが、美少女のデレを聞き逃さないために努力してきた俺には筒抜けだ。
NTR馬鹿とラノベの読みすぎでおかしくなった馬鹿。うわ〜い!ラブコメが始まる予感しかしないね(錯乱)




