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学校にいくのがこわい  作者: Curry and rice
2/7

#1 

俺は朝が嫌いだ。

まぶしい。

ただそれだけの理由で。

『新しい一日が始まる』とか、陳腐なポップスの歌詞にあったけど、別に始まって欲しくはない。

むしろ終わってしまえば良いと思う。

もうなにもかもが。



ここで一発、本当なら自己紹介を済ませておかなきゃならないんだろう。

しかしそんな気にもなれない。

しばらく、名無しの男ってことで了承してもらえると助かる。



さて、俺は引きこもりである。

まあ、そんなに威張って言うことでもないんだけど。

朝起きたらPCとにらめっこしてる奴と思っていただいてよろしい。

高校2年生、17歳にあいなる。

なぜ俺が引きこもりになったかって?








...合わなかった。


社会に、合わなかったんだ。


....まあ、こんなことなんか話したって時間の無駄だろう。





俺はいつものように、黒いジャージを着て、何となく、時計の方に目をやった。


「....もう12時か」


まあ、俺は元来夜型の人間である。


寝過ごすなんてもう慣れすぎて、俺はいつも通りにパソコンを開こうとした。


すると。



ピンポーン



突然、家のベルが鳴った。

あれ、おかしいな。

正午近くに来る奴なんて、ほとんどいなかったはずなのに、だれだ?

「はい、誰でしょう?」

「あの、影旋星(かげめぐりしょう)さんいらっしゃいますか?」

「はい、影旋星は俺ですが。」




さて、俺の名前は言われた通り影旋星(かげめぐりしょう)という名前である。

言ったとおりの引きこもり。

...ただこれ以外いうことが見当たらない。

さっさと本題に入ろう。


「はじめまして。」

「あなたは?」

「今日からこの辺りに引っ越してきました、花野藤(はなのふじ)って言います」


俺と同い年くらいだろうか。たいして身長も高くない、ひょろ長にしては微妙な奴が来た。

ここにいるってことは...

...ああ、こいつもまた、いじめられる対象になるんだろうな。

俺は、そう思うのであった。



俺のすんでいる場所、四繰(よんくり)。いわゆる部落差別の一環であり、ここにいると全員いじめられるみたいな風習がある。

今やここにいる人間たちはもう少ない。

ましてや、こんなところに来るなんて、よっぽどの物好きでもここには来ない。

いったいどういうことなんだろう。

なんでこんなところに来たんだろうか?



「ならなぜ、ここにきた?」

「なんか上から目線ですね」

「いいから、なんでだ?」

「逆に、あなたこそなんでいるんです?」

「お前も聞くじゃねえか。まあ、昔からの因縁ってやつだな」

「へえ...」

「お前は?」

「...まあ、似たようなもんで。たまたまここが安かったから来たみたいなとこありますから」

「それ部落差別のせいだと思うぞ」


まあ、別に俺に止める義理はないから、別にどうということないんだけども。


「それに...」

「ん?」

「あ、いえ、何も。」

「まあ、上がんな」

「え?あ、はい」



「すまん、さっきは」

「なんか、すごい...荒れてるんですか?」

「いや、どうも人としゃべるとあんな感じになってしまって...」

「あ、なるほどそれでいじめの対象に?」


茶を吹き出しそうになった。

「...お前、何でそれ知ってる?」

「先生から聞きました」

「先生から...?」


そんなアホな。


先生が?


どの先生だ?


「先生からどうやって?」

「ちゃんとたたきつけられましたよ、ほれ、このとおり」

みると、腹にはあざができていた。

やっぱり。

俺と同じ担任だった。



俺の担任、東僚一(あずまりょういち)

世の中でいうパワハラ教師。

昔モンスターペアレンツを素手で撃退したらしいが、あのやせこけた姿でやくざみたいなことしているとは考えにくい。

しかしまあ、こいつはただただ暴力をふるう。

さぼっただけで蹴飛ばされるのは日常茶飯事。

木刀で文字どおり面食らったこともあった。

昔からいる古参らしく、先生方も手は出せないという。

しかし、一つ言えるのは、こいつは問題児であることである。



「相当痛かったんじゃなかったか」

「いいえ、こういうのは()()()()()()()

「...???」

一体どういうことだろうか。

「まあ、これからよろしくお願いします。」

「おう。さみしかったらいつでも来いよ」

「はい、お言葉に甘えて」




























まさか、あんなことになるとは、

ぼくはこのとき、思いもしなかった。

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