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9話 人界へパート1

 ほんの少しアクセスがあるみたいでうれしいです。


 初心者なので、少しずつでも文書が読みやすく書けるように努力します。


 この小説にすこしでも興味も持っていただけたらブックマーク登録はお願いします。


    

⭐️母親視点になります。



 あの子を書庫に幽閉して5年が経過しようとしていた。もしかしたら、あの子に魔力が戻るかもしれないかと私は淡い期待を抱いていた。


 私は、この魔界で1番知識のあるナレッジに命じて、あの子の魔力が回復する手段がないか調べるように命令していた。


 ナレッジとは魔王参謀長官であり魔界随一の知恵者でもあった。

 

 しかしナレッジからは、このようことは前例がなくいくら調べても解決策はみつからないとの報告であった。


 しかも、魔石が元の色に戻らなければ、魔界に発生してる瘴気に耐えられなくなり、いずれ命をおとす危険があるということであった。


 そう・・・長くても10歳の誕生日までかもしれないと。


 私は、あの子を書庫に閉じ込めてから1度もあってはいない。それにはきちんとした理由があった。


 この魔界では、常に魔の瘴気が発生している。魔の瘴気とは、魔族にとって魔力をさらに高めることができるエネルギーみたいなものだ。


 しかも魔族以外のものが、この瘴気を吸い込むことは毒を吸い込むことになる。


 魔界にて、魔の瘴気がないところは唯一契りの間だけとなっている。魔の瘴気は、悪魔でさえ嫌うと言われているからである。


 白く濁った魔石になったあの子が、この世界で生きていくのにはかなり厳しい環境なのである。


 だから、私は魔王書庫には結界をはり瘴気が入らないようにした。だがそれでも完全に防げるわけではない。ナレッジの報告通りならこの結果の中でも5年が限界である。


 そして、瘴気の浴びた者も絶対に近づけないようにした。しかし一度だけ、理由を知らないリプロが、あの子に会いに行ったとナレッジから報告があった。


 2人の弟には、なぜ近寄ってはいけないか?またなぜ幽閉しているか?きちんとした説明をしていなかった。


 でもこのままでは、また同じようにあの子に会いに行くことになると思い、2人の弟にはきちんと説明して納得してもらった。


 

 もう5年近くも幽閉して、会いにさえ行っていないから、あの子は私を恨んでいるのかもしれい。しかし、どんなに怨まれても私は構わない。私は母親として、あの子は絶対に助けてあげなければいけない。


 しかしあの子に残された時間は残り少ない。いくら調べても、魔石を元の色に戻す方法は見つからない。


 10歳になるまであと1日、あの子の寿命はもう長くはない。あの子のために私は何ができるのか?


 魔王補佐官として、魔界の平穏を保ちつつ、魔王を育てる母親として、2人の息子の訓練もきちんとこなし、2人の息子のうち、どちらかが魔王になってもおかしくないくらいの力をつけさせた。


 ただ一つ、あの子を救うことは私にはできていない。あの子さえ救うことが出来たら、魔界が滅びようと、2人息子が魔王にならなくてもかまわないと私は思ってしまう。


 あの子を助けたい。私はどうしたらいいのだろうか。もうあれこれと迷っている時間もない。


 私は、あの子に会いに行ってはいないが、毎日、魔王補佐官としての業務などを終えて、20時頃に、必ずあの子の状況を確認していた。


 書庫に閉じ込めてから、1ヶ月くらいから、あの子はかなりの体力を消耗し、眠ってる時間が長いみたいである。しかも年を増すごとに、その状況は酷くなるばかりである。


 このままでは、明日になれば、確実に死んでしまうのかもしれない。私は大きな決断をすることにした。あの子を人界へと送ろうと。


 人界なら魔の瘴気も存在しない。しかもあの子は白い魔石なので、魔人とは誰も思われない。頭に二本のツノがあるから、亜人だと思われるだろう。


 人界と魔界を繋ぐルートは少ない。なので、亜人の国には送ることはできないのが残念なことである。


 亜人と友好的なあの町なら大丈夫かもしれない。そして、わたしはあの町のちかくにある森へあの子を送る事にした。


 あの子は頭の良い子だ。魔力がなくても、人界なら強く生きていけるはず。それにもしかしたら、人界で魔力を復活できる可能性もあるかもしれないのだから。


 このまま魔界で死を待つより、人界へ送る方がよいと私は決断した。


 

 「私のかわいいルシス。あなたを救えなかったお母さんを許してね」



 そう心です呟いて、わたしはナレッジにルシスを人界へと連れて行くように命令を出した。



 


 「これで、1人魔王候補が減ったな。生きていても邪魔だから、魔獣のエサにでもしてやるか。」



 ナレッジは不敵な笑みを浮かべながら言った。





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