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37話 ブラカリの町パート1



 アメリア様の王都までの護衛依頼の日まで、私はお酒作りをすることにした。


 ブトウジュースとブドウ酒飲めなかったトールさんとポロンさんは、三日間魂が抜けたかのように呆然としていたが、4日目からはロキさんに連れられて、ディービルの森付近まで素材集めのクエストをおこなっている。


 Cランク冒険者の名に恥じない腕を身につけるための修行を兼ねているらしい。


 私はお酒作りを頑張りたいので、クエストはお断りした。私は転生前も転生後もお酒を飲んだことがないので、お酒作りは少し不安だったが、心強いパートナーがいた・・・いや、不安材料でしかないのかもしれないが・・・



 「花のような香りがして、甘味があっておいしいよ。食がすすむお酒だね。でも、まだなんか足りないかな。もっと深みが欲しいかも。次の期待してるよ」



 作り直したお酒を試飲してもらう。



 「飲み口がサラサラして、さっきより甘味も強く、かなり良くなってきよ」



 私は転生前、父が日本酒が好きでよくお酒の話を聞かされていた。そこで私は日本酒を作ることにした。魔法で簡単に作れると思ったが意外と難しい。まず、飲んだことがないからイメージができないからなかなか再現ができない。


 そこで、お酒大好きクラちゃんに助手をお願いした。クラーケン討伐パーティーの夜、こっそりとパーティーに参加しているのを見つけて、お説教をしたが迷惑をかけないことを約束して、滞在を許してしまったのである。


 食べる物はクラちゃんが、海から魚を採ってきたり、また魔獣を退治して、私が料理することで、町に迷惑をかけないようにしている。


 

 お酒作りを始めて、一週間が経つ頃には、クラちゃんが満足する日本酒が作れるよになったのであった。



 「これ今までで、1番いいかも。口当たりが良く甘味が深く香りもフルーティで最高の出来かも」


 「ほんと!嬉しい。じゃぁ、この作り方でたくさん作るね」


 「このお酒の名前は何て言うのかしら?」


 「大魔王です」



 私は、どうしてもこの名前をつけたかった。お酒を通して大魔王の名を広めたかったのである。



 「なんか、すごい名前だね」



 私は、護衛の依頼の日まで作れるだけたくさんのお酒を作った。


 

 そして、護衛の日を迎えた。





 「今日は護衛お願いします」



 オリビアさんが深々と頭を下げてきた。私たちに気をつかっているのだろう。


 

 「わかりました。まずは、ブラカリへ向かえばいいのですね」



 ロキさんも丁寧に対応した。



 「はい。お願いします」


 「ところで、なんでブラカリに立ち寄るのだ?」


 「私は何も聞いていません。オリビアならご存知かも」



 アメリア様は知らないらしい。



 「トール、詮索するのは辞めるのよ!これは、伯爵夫人からの依頼です。何か事情があるのでしょう。私たちは、受けた依頼を実行するだけです」


 「かたいこと言うなよ。ブラカリだぜ。気になるぜ」


 「私が、ディーバ様からブラカリの町の魔石工房の視察を依頼されているのでございます」



 オリビアさんが、アメリア様が困った様子だったのでブラカリに行く理由を説明した。



 「魔石工房かぁ。たしか、ブラカリの魔石技術はかなり高いらしいな」


 「はい。そうです。ブラカリの発展は魔石技術によるものです。魔石に手を加えることで、様々な便利な魔石具を産み出しているそうです」


 「たしか、魔術を使えない男でも、使用できる魔石具を作ったのがブラカリだったよな」



 魔石技術とは、魔石を生活用品として使うために、魔石を改造する技術である。街頭、部屋の明かり、調理器具、など全て魔石具でできている。火の魔法で、加工した魔石具なら、魔石具がコンロの代わりになる。しかし、スイッチの役割になるのが、魔法なので男性は魔石具は、使えないから不便でもある。


 男性では使えない魔石具を、使えるように加工する技術があるのがブラカリの職人達である。この魔石具により、この国の生活は一変したのであるが、その魔石具は貴重な為、裕福な貴族にしか手に入れることができない。



 「でも、無理じゃないか。これまで、何度となくその技術の秘密を探ろうとしたが、誰もできなかったらしいじゃないか」


 「確かに、そうです。それでも、何かヒントになるもを調べて欲しいと言われてます」


 「まぁ、頑張ってくれよ。俺はおいしいお店でも探すわ」



 私たちは、ラディッシュの街を出て、ブラカリのへ目指した。アメリア様の護衛はラスパの4人と、オリビアさんの率いる護衛団10名である。私の支援魔法で、馬のスキルを上げて出来るだけ早くブラカリの町へ着くようにした。



 「すごいですわ!この支援魔法。今日中にはブラカリにつけそうです」


 

 オリビアさんがすごく驚いている。


 

 

 「あの時の回復魔法といい、この支援魔法・・・どこで覚えたんだろう」


 「そうですね。馬が全く疲労を感じてませんね」

 

 「命の恩人を調査するのは、心苦しですがこの国の今の情勢を考えると、あの子の存在はとても大切です。どうにかして、私たちの組織に加入して欲しいわ」


 「そうですね。奥様もそれを望んでいます。ブラカリの関係者だとにらんでいましたが、あの子はブラカリに行ったことがないみたいです。ブラカリの関係者ならよかったのだが、違うならどこからきたのだろう」


 「母の指示通り、ブラカリで、彼女の様子を伺いましょう。そして、あのお方にも確認しないとね」





 私たちは、日が暮れる前には、ブラカリに到着した。ブラカリの町へ入る門に着くと、そこには、体長2.5mの大きなトラ・・・がいた。いやトラのような人?



 それはトラの獣人であった。



 


 



 

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