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魔王の子供に転生した女子高生、悪魔が怖くて魔界から追放される。しかし天使様に助けられて、人間界で無双する。  作者: にんじん


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369話 竜人国家ユグドラシル編 パート4


 「中間点についたわ」



 リヴァイアサンは、世界樹の中腹にある大きな枝の一角に僕たちをおろした。



 「これ以上、上に登るにはファフニールの許可が必要よ。許可なしに世界樹の上空に行くとファフニールが襲ってくるわ」


 「リヴァイアサン何しにきたのだ!ここから先は通すことはできないぞ」



 禍々しい紫色の長髪の美形の男性が、僕たちの前に現れた。



 「ファフニール、お願いがあるのよ!この子達を世界樹の頂上に連れて行きたいのよ。許可をもらえるかしら?」



 リヴァイアサンがお願いをする。



 「だめだ!神聖な世界樹の頂上に竜人族以外の者を行かせるわけにはいかない」



 毒々しい視線でファフニールは、リヴァイアサンを威嚇する。



 「少しくらいいいじゃないの!あなたはほんと堅物だわ」



 リヴァイアサンは、ファフニールの威嚇を全く相手にせず愚痴るように言った。



 「俺は職務を全うしているだけだ。ここから先は絶対に通すわけにはいかない」



 堅物と言われて少しムッとしている。



 「冗談も通用しないのね。だから、ケツァルコアトルに相手にされないのよ!」


 「今はケツァルコアトルのことは関係ないだろ!」



 ファフニールは真っ赤になって大声を張り上げる。



 「どうしても通してくれないのかしら」



 エキドナがファフニールに尋ねる。



 「エキドナ様、申し訳ありません。ここから先は竜人族でも限られた人物しか通すことができないルールになっているのです」



 ファフニールは、リヴァイアサンの時とは対応が違いエキドナには丁寧に対応する。



 「エキドナには優しく接するのね?でも妹のエキドナに優しくしてもケツァルコアトルはあなたなんて、見向きもしないわよ」



 それはエキドナの姉はケツァルコアトルである。ケツァルコアトルに良い印象を与えたいファフニールはエキドナには優しく接するのである。



 「ここを通してくれたら、お姉ちゃんとデートできるように計らってあげてもいいわよ」


 「そ・・そんな・・誘惑に俺は・・・」



 ファフニールはブルブルと震えながら自問自答している。



 「そういえば、お姉ちゃんは仕事熱心な真面目な方が好きだと言っていたわ。なので、ファフニールさんとはお似合いだと私は思っているわ」



 ファフニールに聞こえるように、エキドナはつぶやいた。



 「エキドナ様のお姉様・・・会ってみたいです」



 レオがポツリとつぶやいた。



 「レオさん、次はケツァルコアトルを狙っているのかしら」



 リヴァイアサンが、面白そうに言った。



 「人間ごときが何を言っているのだ!」



 ファフニールは、レオの言動を聞き逃しはしない。新たなライバルができたと思って激昂した。



 「ファフニール、人間を脅すなんて野蛮よ!」



 リヴァイアサンはレオの前に立ちはだかって、ファフニールの威嚇からレオを守る。



 「そうよ、そんなことをしたらお姉ちゃんは怒ると思うわ」



 エキドナが追随する。



 「申し訳ありません。少し熱くなってしまいました。このことはケツァルコアトル様には内緒にしてください」



 ファフニールはエキドナに頭を下げる。



 「もちろんよ。あなたのことはお姉ちゃんには優しくて素晴らしい男性だと伝えておくわ」


 「ありがとうございます。エキドナ様の素敵な配慮に考慮して、世界樹の頂上に行くのを認めます」


 「嬉しいわ!」


 「先程のデートの件も忘れずにお願いします」



 ファフニールの鼻の下は伸びきってニタニタとニヤついている。



 「フェニちゃん、ファフニールの許可をもらったわ。世界樹の頂上を目指すわよ」


 「ファフちゃん!ありがとうですぅ」



 フェニは頭を下げてお礼を言った。



 「気にしなくてもいいぜ!俺は人間には優しい男だぜ」



 エキドナにかっこいいところを見せよとファフニールは、フェニに優しくかつキザに接するのである。もちろん、先程のレオに対する失言を取り戻すためである。



 「焼き立てのパンをあげるのですぅ」



 フェニは先程買ったパンをファフニールにあげた。ファフニールはフェニにもらったパンを食べる。



 「これは・・・いつものパンではないぞ!!!こんなフカフカでモチモチ食感のパンは食べことがないぞ!」


 「これはリプロさんが作ってくれた新しパン窯で作ったパンなのよ。すごくおいしいでしょ!お姉ちゃんとデートする時は、ここのパン屋に行くといいかもね」


 「もちろんです。これはどこのパン屋で食べれるのでしょうか?」


 「イーストさんのお店よ!」


 「すぐに予約を入れてきます」



 ファフニールは、業務を放り出して急いでパン屋に向かったのであった。



 「これで世界樹の頂上に行けるのですね」



 僕は世界樹の頂上に行ける許可が出てホッとしたが、世界樹の頂上から感じる強大な魔力に少し不安を感じていた。



 「早く行くのですぅ」



 フェニは世界樹の頂上に行く気満々である。



 「わかったわ。急いでいきましょう」



 リヴァイアサンとエキドナはドランゴの姿に戻って、僕たちを乗せて猛スピードで上昇した。


 宇宙にも届きそうな大きな世界樹の頂上は、雲に覆われてほとんど視界を確保することはできない。僕らはその雲の中を突き進んだ。


 真っ白な雲の視界を抜けた時、そこには緑豊かな大地が存在していた。



 「ここが世界樹の頂上です」



 世界樹の木の上にさらに大地があり、そこにも大きな木が聳え立っていた。



 「到着ですぅ」



 フェニはリヴァイアサンから飛び降りて、世界樹の大地に足を踏み入れた。



 「大きな木があるのですぅ」



 フェニは世界樹の頂上にある大きな大木に走って行った。



 「フェニちゃん、その木には触れたらだめよ」



 リヴァイアサンが声を荒げる。



 「綺麗な果実が実っていますぅ」



 フェニは、大きな大木に夢中になっていてリヴァイアサンの声が聞こえていない。なので、フェニは炎の翼を出して、大木に実っている果実を取ろうとした時・・・



 「フェニ!!!」



 僕は大声で叫んだ。




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