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魔王の子供に転生した女子高生、悪魔が怖くて魔界から追放される。しかし天使様に助けられて、人間界で無双する。  作者: にんじん


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353話 魔石国家ケルト王国編 パート22


 「これが俺の本当の姿だ。あまりに巨大でビックリしただろう」


 「・・・」



 リヴァイアサンはスルーする。



 「幻影の魔石を見抜いたくらいで調子に乗るなよ。俺が本気を出せばお前なんか瞬殺できる力を持っているのだ。今ならまだ許してやってもいいぞ。俺の女にならないか?」



 オグマはまだリヴァイアサンを狙っている。



 「少しくらい大きくなったくらいで調子に乗らないでね。さっきも言ったけど弱い男には興味がないのよ。それに、魔石具の力や人から授かった能力で強くなったと勘違いしているあなたは全く魅力がないわよ」



 リヴァイアサンは、オグマを冷たい視線で睨むつけて見下すように言った。



 「その言葉・・・後悔させてやる。俺の強さを教えてやる!」



 オグマは、1m以上もある大きな拳を天高く突き上げた。そして、そのままリヴァイアサンに向かって振り落とした。しかし・・・リヴァイアサンは水のカーテンを使ってオグマの攻撃を防ぐ。



 「そんな魔法で俺の攻撃を防ぎきれると思うなよ」



 オグマは、鋼鉄の魔石具を取り出した。オグマの体は鋼鉄のように硬くなった。そして、先ほどと同じように拳を天たかく突き上げて、リヴァイアサンの目掛けて拳を振り落とす。鋼鉄の体となったオグマの拳は鋼鉄のハンマーのような破壊力を持ち、リヴァイアサンの水のカーテンを突き破りそのままリヴァイアサンに直撃した・・・ように見えたが、大きな水しぶきが上がってそこにはリヴァイアサンの姿はなかったのであった。



 「オグマは魔力感知ができていないですぅ」



 フェニは得意げに言った。



 「オグマはレベルが低いけど魔力感知は使っていると思うよ。でも、リヴァイアサンは水の分身に魔力の偽装をしていたので、それに騙されたのだと思うよ」


 「私はすぐにわかったですぅ。魔力に生命反応がなかったですぅ」


 「そうだね。魔力感知は魔力だけを感知するのでなく、魔力の流れから体の大きさ、魔力量、生命反応と様々な情報を読み取ることができるけど、それを正確にとらえるにはかなりの経験と鍛錬が必要だよ。魔石具と能力に頼りきっているオグマには無理なことだね」


 「常に努力は必要ですぅ。それに、立派な先生も必要ですぅ」


 「フェニはこんな短期間で、リヴァイアサンの偽装に気付くなんて素質があるよ!」


 「リプロ様のおかげですぅ」



 フェニは嬉しそうに笑った。



 「どこへ消えたのだ!」


 「後ろですぅ」


 「そうだね。リヴァイアサンは水で自分の分身を作って、オグマの背後に回ったよね。魔力感知のレベルが高ければ気付くことはできるけど、オグマには難しいかもね」


 「私はわかったですぅ」



 フェニは自慢げに言った。



 「リヴァイアサンは、魔力を抑えて魔力を悟られないようにしているので、リヴァイアサンの位置を特定するのは容易ではないのだよ」



 フェニは飲み込みはかなり早い。これは、フェニの素質もあるがフェニックスの能力を得て、魔石が魔人に近くなった影響もある。しかし、これはオグマにも同じことが言えるのである。神人であるプロメーテウスから能力を授かったから、神人に近い体を手に入れたはずである。しかし、オグマは魔石具に頼りすぎているので、努力を怠った結果がフェニとの違いである。それに、プロメーテウスの指導力のなさも原因である。



 「こんな偽装にも気づかないあなたに私に勝てる可能性はゼロよ」



 リヴァイアサンは大きな水球を作って、オグマの顔を水球で覆い尽くす。オグマは息ができずにもがき苦しむ。


 オグマは水球を潰すために両手で水球を押し潰す。リヴァイアサンは瞬時に水球を破壊した。オグマは自分の顔を両手で押しつぶしてしまう。



 「グギャーーーー」



 オグマはB闘技場に響き渡るほどの悲鳴を上げてのたうち回る。



 「絶対に許さん。こんな屈辱を受けたのは初めてだ!」



 自分の頭を両手で押しつぶして、目・口・鼻・耳などあらゆるところから血を流しているオグマが雄叫びをあげながら叫ぶ。



 「オグマ、冷静になれ!」



 オグマが劣勢になったので、ダグザがオグマのそばに駆け寄ってきた。



 「ダグザ、邪魔をするな。あの女は俺が叩きのめす!」


 「わかっている。しかし、落ち着け!幻影も攻撃無効の魔石具も通用しない相手だ。鋼鉄の魔石具だけでは勝てる相手ではない。俺が持っている倍倍の魔石具を使え」


 「そうだな。全ての力を4倍にしてくれる倍倍の魔石具を使わせてもらうぞ」


 「もう、いいかしら?いくら力が増しても本体が弱いから無駄だと思うわよ」



 リヴァイアサンは、2人の様子をじっと眺めていた。リヴァイアサンは、僕のお願いを聞いてくれているのである。僕はどんな魔石具がガリアの町にあるのか知りたいのである。それは、天界がどれくらいこの国に関与しているか知る為と、お姉ちゃんの難病を治す手がかりがないかを確認するためである。


 僕がダグザとオグマの魔力量を感知した結果ザコ判定だったので、リヴァイアサンが負けるとは思えなかったのでお願いしたのであった。



 「虚勢を張れるのも今のうちだぞ!倍倍の魔石具を使った俺の攻撃を耐え忍ぶことができるかな?」



 オグマは、先ほどとは全く違うスピードでリヴァイアサンの元へ駆け寄った。





 

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