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魔王の子供に転生した女子高生、悪魔が怖くて魔界から追放される。しかし天使様に助けられて、人間界で無双する。  作者: にんじん


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186話 倭の国パート27



 「早く救護班をよべ」



 雷電が大声で叫ぶ。


 しばらくすると、回復魔法が使える救護班の女性が数名現れた。



 「ここで何があったの?」



 救護班の女性が雷電に問いかける。



 「金童子が暴れたみたいです。それよりも、力士達は大相撲大会に参加できそうですか?」


 「簡単な治療しかできません。力士の皆さんはかなり激しく投げられたみたいなので、大相撲大会に参加できるかどうかは微妙だと思います」


 「雷電、黄昏が意識を取り戻したぞ」



 突撃王が叫ぶ。


 雷電は黄昏の元へ駆けつける。



 「黄昏、大丈夫か」


 「ば、ば、化け物がいた・・・」


 「金童子のことだな」


 「あわ、あわ、あわ・・・」



 黄昏は、あまりの恐怖の出来事を体験した為に、うまく喋ることができない。



 「落ち着け、もう大丈夫だ」


 「あんな恐ろしい目に会うのは嫌だ、俺はイモの町へ帰る」



 そう言うと、黄昏は這いつくばりながら逃げ出した。


 そして、他の出場者の力士も意識を取り戻すと大相撲大会の会場が逃げて行くのであった。



 「雷電、全員帰って行ったぞ」


 「そうみたいだな・・・これで大相撲大会の出場者は、4人になってしまったのか」


 「ああ、俺と雷電、会心丸、金童子の4人に・・・」



 雷電も突撃王もサラちゃんを数に入れていないのである。



 「そうだ、あのお嬢さんはまだ回復しないのか?」



 雷電が突撃王に聞く。



 「いや、それが・・・救護班の話しだと、ただ眠っているだけであって、起こそうとすると暴れるので、始末に負えないとのことだ」


 「そうか・・ひどい目にあったから現実逃避をしているのだろう。無理に起こすことはない」



 雷電はかなり勘違いをしているのである。サラちゃんはただ、快適な眠りを妨げられたくないだけである。



 「それより、大相撲大会はどうなるのだ。もし中止なら優勝者に用意した米俵20俵が無駄になるぞ」


 「いや、中止にはしない。4人でも大相撲大会は開催する。そして、金童子を倒して黄昏達の仇を取らないといけない」


 「そうだな。俺も全力で勝ちに行くぞ」


 「コメ???」



 サラちゃんは、眠っていたけどコメという言葉に反応した。



 「今、確かにコメという言葉が聞こえたかしら」



 救護班がいくら起こそうとしても起きなかったサラちゃんが、コメという言葉に反応して目を覚ましたのであった。



 「確か、イフリートの話しでは、ルシスちゃんはコメと言う食べ物を手に入れるために倭の国へ来たと言っていたはずよ」



 私が倭の国へきた目的はお米を手に入れることである。サラちゃんはイフリートから聞いて私の目的を知っていたのであった。



 「コメはどこなのよ」



 サラちゃんは起きるや否や大声で叫んだのであった。


 サラちゃんの大きな声にびっくりしたちゃんこ番が、サラちゃんをなだめる。



 「お嬢さん静かにしてください。今は雷電様と突撃王様が大事なお話しをしています」


 「コメが欲しいのよ」



 サラちゃんはジタバタしながら叫んだ。



 「何を騒いでおる」



 雷電がちゃんこ番の元へ来る。



 「申し訳ありません。このお嬢さんがお米を欲しいと駄々をこねているのです」


 「その子には1人でちゃんこを食べたと間違った容疑をかけてしまったし、それに金童子にひどい目に遭わされたみたいだ。お詫びとして、優勝賞品のコメを好きなだけ袋に入れてもって行かせると良い」



 雷電はサラちゃんがただの小さい女の子と思っている。



 「本当に良いのですか?」



 ちゃんこ番は心配していた。ちゃんこ番はサラちゃんが大きな鍋に入ったちゃんこを一瞬で食べたことを知っている。黄昏達が投げ飛ばされたのは見てはいないが、サラちゃんが投げ飛ばしたと思っている。しかし、雷電に言っても信じてもらえないので黙っているのであった。



 「構わない。女の子が持っていける量など限られているしな」



 そう言うと雷電は突撃王と大相撲大会をどのように開催するかを話し始めた。


 ちゃんこ番は、サラちゃんに好きだけお米を持って行ってもいいと教えてあげた。



 「わーーーい。わーーーーい」



 サラちゃんは、ジャンプをして嬉しさを表現した。



 「あっそうだわ。お兄さんオオスモモはまだなのかしら」



 サラちゃんは大相撲大会は、まだ開催しないのですか?と尋ねた。



 「オオスモモ?なんのことですか?」


 「スモモを食べる大会ですわ」



 サラちゃんはきちんと説明した。



 「そんな大会はありません」



 ちゃんこ番はキッパリと言った。



 「そんなことありませんわ。早くスモモをよこすのよ」



 サラちゃんは、怒りをあらわにしてきつく言い放った。



 「スモモが欲しいのですね」


 「はい」



 サラちゃんは満面の笑みで返事した。


 ちゃんこ番は雷電の元へ向かった。



 「雷電様、忙しいところ申し訳ありません。あのお嬢さんが、つぎはスモモが欲しいと言っています」


 「今は、大事な話しをしているところです。スモモくらい好きなだけ渡したらいいでしょう。それくらい自分で判断しなさい」



 雷電はたった4人の参加者でどのような大相撲大会を開催するか、とても悩んでいるのである。そんな時に、スモモを食べたいというどうでもいい話しをしている場合ではないのであった。


 しかし、この雷電の失言によりこの大相撲大会の会場に、保管してあった全ての果物は消えて無くなってしまったのであった。


 

 「たくさんのスモモを食べたので私の優勝かしら」



 とサラちゃんはちゃんこ番に告げて、大相撲会場にあった全ての米俵を担いで、会場を出るのであった。


 ちなみに、サラちゃんに恐れをなして、金童子はイモの町へ帰ったので、結局、大相撲大会は中止になるのであった。



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