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魔王の子供に転生した女子高生、悪魔が怖くて魔界から追放される。しかし天使様に助けられて、人間界で無双する。  作者: にんじん


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151話 妖精王パート21



 「気持ち悪いな」


 「本当ですわ。下に降りたくないですわ」



 虹蛇の体の中は大きな空洞になっているが、大小の様々な大きさの蛇が徘徊している。



 「ここは蛇の楽園だな」


 「そう見たいですわ。下に降りたらすぐにでも、蛇に丸呑みされてしまいそうですわ」




 虹蛇の胴体の直径は50mくらいはある。胴体の長さに関しては観測するのが難しいほどの長さである。


 そん巨大な体の中は無数の蛇が住む楽園があったのである。



 「サラ、ここには、蛇以外何もなさそうだぜ。引き返そうぜ」


 「そうですわ。こんなところすぐに出ましょうよ」


 「私にはわかるのよ。奥に行けば何かあるはずよ」



 トールさんは虹蛇の中に入ってようやく理解した。ヤミークラブはもう蛇に食べ尽くされたとを。


 ポロンさんはトールさんの顔を見てようやく理解した。ここへきたのは、大・大・大失敗であったことを。


 サラちゃんは確信を持った。こんなにたくさんの蛇がいてるなら、ヒュドラのような甘くて美味しいコアを持った蛇が必ずいてるに違いないと。



 「先へ進むわよ」


 


 サラちゃんが先に進むのでトールさん達は渋々付いていった。



 「どこまでいくつもりだ」


 「そうですわ。サラちゃん何を探しているの?」


 「気が散りますわ。私は集中しているのよ」



 サラちゃんは人型に戻って注意深く美味しそうなコアを持っている蛇を吟味していた。



 「あの蛇だわ」



 サラちゃんはポツリとつぶやいた。



 「サラ、何か言ったか?」


 「間違いないわ。あの蛇を討伐しますわ」



 サラちゃんは、急加速して先へ進んだ。



 「サラ、早すぎるぞ」



 トールさん達もフワリンのスピードをあげて追いかけていった。



 「トール、あれを見て!!」


 「でかいな・・・・それに、なんて色をしているんだ」



 トールさん達が目にしたのは、レインボーに輝く美しい蛇がトグロを巻いて座っているレインボースネークである。そしてレインボースネークの周りには豪華な食事が並んでいた。



 「あの蛇の周りに置かれているのは、もしかしたら・・・・」


 「そうですわ。料理されたヤミークラブですわ」


 「あいつが、虹蛇のボスだぜ!」


 「間違いないですわ。そして、あそこに並んでいる食事は私のものですわ」


 「いや、俺のだ」



 2人はまた醜い争いを始める。



 「ついに見つけ出したわ」



 サラちゃんの目が爛々と輝いている。


 レインボースネークは、胴体が10mあり、全長も100m以上ある大きな大蛇である。全身の鱗がレインボーに光ってとても綺麗な姿をしている。



 「トールさん、私をあの蛇の口の中へ投げてくれないかしら」



 サラちゃんは体を丸くしてトールさんの側に座った。サラちゃんは、私が、ヒュドラの口へ放り込んだやり方を思い出したのである。



 「えっ・・どういうことだ」



 トールさんは飲み込めていない。



 「私があの蛇の体内に入って退治してきますわ。なので、私をあの蛇の口の中へ放り投げてちょうだいよ」


 「よしわかったぜ。あの蛇の口に入れたら良いのだな」


 「そうよ」



 サラちゃんのウキウキ気分は頂点に達した。あの蛇の中には、絶対に大きくて美味しいコアがあるに違いないとワクワクしている。


 サラちゃんを持ち上げてトールさんは風魔法を使って、サラちゃんを投げ飛ばす。しかし、トールさんは、レインボースネークの周りに用意されているヤミークラブが気になって仕方がない。



 「さぁ、早く投げてよ」



 サラちゃんは催促する。



 「わかったぜ」



 トールさんの心はヤミークラブにぞっこんである。トールさんは視線をヤミークラブからそらす事ができず、サラちゃんを適当に放り投げる。


 サラちゃんはすごい勢いで飛んでいくが、レインボースネークの口じゃなく胴体に突進する。



 「トールさん、違うわよーーー。どこに投げてるのよ」



 レインボースネークは何かが胴体に当たって、異変を感じて大きな二つの目がギョロリを見開いた。



 「俺の体内に侵入者が来たみたいだな。お前達がヒュドラを倒しオロチを封印したのか」



 レインボースネークは鼓膜が破れるくらいの音量で話しかけてきた。そして、虹蛇の本体がレインボースネークであった。



 「うるさいぞ。もっと静かに話せ」



 トールさんはブチ切れる。トールさんはレインボースネークの話しより、どうやってヤミークラブを盗むことに集中している。



 「そうよ、うるさいわよ。オロチを封印したのが何か問題でもあるのかしら?」



 ポロンさんもイライラしていた。こっそりとヤミークラブを盗む予定が、トールさんがサラちゃんをレインボースネークにぶつけたせいで盗むのが困難になったからである。



 「少し、小さめに話そう・・・」



 レインボースネークは2人に怒鳴られて少し萎縮した。



 「俺の体内に潜入したのはお前達が初めてだ。その度胸は褒めてやろう。そして、お前達が体内に入ってきた目的はこれであろう。これはオロチから預かった大事な物だ。簡単には渡すわけにはいかないぞ」


 「大蛇よ、気づいていたのか。俺たちの目的を」


 「もちろんだ。お前達の目的は・・・・」


 「ヤミークラブだ」


 「ヤミークラブよ」


 「えっ、オロチの秘宝の草薙の剣じゃないのか???」



 八岐大蛇は草薙の剣を虹蛇の体内に隠していたのであった。


 トールさん達は妖精の試練の内容を今思い出したのであった。私たちの目的は八岐大蛇を討伐して、草薙の剣を手に入れることである。八岐大蛇は封印したが、草薙の剣はまだ手に入れていなかったのであった。



 

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