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魔王の子供に転生した女子高生、悪魔が怖くて魔界から追放される。しかし天使様に助けられて、人間界で無双する。  作者: にんじん


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149話 妖精王パート19



 私たちは生贄になった女性を全て救い出して、八岐大蛇を封印した瓶を持って村長の家に向かった。


 村長の家では生贄になる予定の孫娘と最後の時間を家族と共に過ごしていた。



 「村長さん、もう大丈夫です。ヒュドラは退治して八岐大蛇は封印しました。それに生贄になった女性達も無事に保護しました」


 「ありがとうございます」



 村長さんは涙を流して喜んでくれた。



 「村長、ミコトです。虹蛇が動き出すと思います。伝説通りだと大人しく家で待機したほうが良いと思います」



 ミコトさんの話しによると、虹蛇は餌を求めて数10年に一度移動するという。しかし、虹蛇の山に八岐大蛇が住みだしてからは、八岐大蛇からヤミークラブを提供してもらえることになり、移動することを辞めてしまったという。


 しかし、八岐大蛇がいなくなったので自分で餌を取るために移動を開始するということである。虹蛇は特に人を襲う事はないので、移動するのを家で大人しくじっと待つことを勧めてくれた。


 村長は村人に祭を中止させて家で待機するように指示を出した。もちろん、ヒュドラは討伐され八岐大蛇は封印されたと報告をした。


 村人や祭りに参加した周辺の村人は、歓喜の声をあげたが、伝説の虹蛇が移動すると分かったので、すぐに家に帰ったのである。


 私とロキさんは、村長から約束通りヤミークラブを貰い受け、そのヤミークラブを使って、村長の家でヤミークラブ鍋をご馳走されることになった。



 「あなたのおかげでヒュドラの脅威がなくなり、無事に八岐大蛇も封印されました。それに、長年滞在していた虹蛇が移動するのでこの村も平穏になります。本当にありがとうございます」



 村長がお礼の言葉を述べた後、村長の親族とミコトさんと私とロキさんで、鍋を囲んでヤミークラブ鍋パーティーが開催された。


 実は八岐大蛇の家に残っていたヤミークラブは、生贄の女性達がもったいないと思って、切り分けて小さくして袋の中に入れて持ち帰っていたので、それを助けてもらったお礼として、全てもらったのである。なので、この大人数でも足りるくらいのヤミークラブはあるのであった。


 私とロキさんは、茹でたヤミークラブをお腹一杯になるまで堪能することができた。ヤミークラブの身はプリプリして食感も良く、程よい甘さが鍋にピッタリと合うのであった。




 「どこを探しても、ヤミークラブなんてないぞ」


 「本当ですわ。どこに保存してあるのでしょう」


 「早く探してよ」


 「サラ!お前も一緒に探せ。1人で鍋を食べている場合じゃないぞ」


 「1人ではありませんわ。イフリートも一緒よ」



 サラちゃんとイフリートは、生贄の歓迎パーティーに用意されていた鍋を勝手に食べていたのである。そして、トールさんとポロンさんは必死にヤミークラブを探すがどこにも見当たらないのである。


 見つからないのは当然である。ヤミークラブは、もうここにはないのだから・・・




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