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魔王の子供に転生した女子高生、悪魔が怖くて魔界から追放される。しかし天使様に助けられて、人間界で無双する。  作者: にんじん


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138話 妖精王パート8

  


 「サラマンダー、雷光石は俺の物だ。お前には絶対に渡さないぞ」


 「サラちゃん。雷光石はオーベロン王に渡します。覚醒してもらうのにどうしても必要なので今回は諦めてください」



 私はキツめの口調でサラちゃんに言い聞かすことにした。



 「ルシスちゃんの意地悪!!覚醒なら私がしてあげるから雷光石を渡すのよ」



 サラちゃんは反抗期の子供のように、出来もしないのに大口を叩いて雷光石を渡すようにと駄々をこねる。



 「サラちゃんにはできないでしょう」



 私は呆れた顔をして諭すようにサラちゃんに言った。



 「オーベロンにできて、私にできないことなどないのよー」


 「サラちゃん嘘はダメです」


 「嘘じゃないもん」



 サラちゃんは少し涙目になりながら顔を真っ赤にして言った。



 「オーベロン王本当なのですか?サラちゃんも覚醒させることができるのですか」


 「悔しいが俺とサラマンダーは覚醒者を覚醒できる能力があるのは事実である」


 「サラちゃん、なんで今まで黙っていたのですか?」


 「サラ、なんで言わなかったんだ?」


 「それは・・・聞かれなかったからですわ」



 なんと、サラちゃんにも覚醒者を覚醒させる能力があった。最初から言ってくれたのなら、すぐにでも覚醒してもらったのに、いつもながらサラちゃんには困ったものである。



 「さぁ!ルシスちゃん、私に雷光石を渡すのよ」



 私はサラちゃんができるのならわざわざオーベロン王に雷光石を渡す必要はないと思った。これ以上無駄にグダグダと揉めるのも面倒なのでサラちゃんに雷光石を渡すことにした。



 「ちょっと、待ちなさい」



 次はティターニアが割って入ってきた。



 「さっきから話しを聞いていましたが、覚醒者を覚醒させるにはルールがあるはずよ」


 「ルールがあるのですか!!」



 私は驚きのあまりに尻もちをついた!



 「そうよ。妖精法できちんと定められていますわ。覚醒者を覚醒させるには、試練を与えてそれを突破する実力があるものだけが覚醒者になれるのよ」


 「オーベロン王、本当なのですか?」


 「本当だ。後で話そうと思っていたのだよ。妖精法で定められた試練を突破した者だけが、覚醒者になれるのだ」


 「サラも知っていたのか」


 「も・・・もちろんよ。私もそれを今言うところだったのよ」



 サラちゃんは動揺している・・・たぶん、サラちゃんは知らなかったのだと思う。



 「試練を受けずに、覚醒したらどうなるのですか」


 「違反者は神の裁きを受けて、命を落とすこともあると言われている」



 サラちゃんに覚醒できるか聞かなくて良かったのであった。サラちゃんに覚醒してもらっていたら、危うく死の危険に晒されるところだったみたいである。



 「試練はどのようなものなのですか」


 「妖精法で定められた試練はいくつかあるのだが、今回は八岐大蛇を討伐して草薙の剣を入手することだ。これは難易度の高い試練なのでパーティでの討伐を認める」


 「よし、その試練受けて立つぜ」


 「私もよ」



 ロキさんとトールさんは闘志に火がついた。自分たちの力を試したいのであろう。なので試練を受けることに乗り気である。



 「私も協力させてもらいますわ」


 「私も参加します」



 みんなで試練に挑む事に決定した。



 「私も行くわよ」


 

 サラちゃんも参加を表明した。



 「俺も行ってみようかな」



 なぜかオーベロンまで参加を表明した・・・・これは、何かあるに違いないと私の探知スキルがビビッと反応したのであった。



 「あなた!付いて行くことは私が許しませんわ。まだ、ウンディーネの件が片付いていませんわ」


 「・・・・わかりました」


 「それとサラマンダーが壊した妖精の扉とダンドーク山を元に戻しなさい」


 「はい」



 オーベロンは手から黒い霧を噴出した。あたり一体が黒い霧で覆われて何も見えなくなる。しばらくすると、黒い霧は消えて無くなった。霧が消えた後には、ダンドーク山は元に戻っていて妖精の扉も復活していたのであった。



 「あなた、帰るわよ」


 「俺も行きたいのに・・・・」


 「ちょっと待ってください」


 「まだ何かようかしら?」


 「八岐大蛇はどこにいてるのですか」


 「居場所ならサラマンダーが知っているはずよ」


 「サラ知っているのか」


 「出雲山にいてるはずよ。出雲山の近くにある海にはビッククラブが生息していて、茹でて食べるとめちゃくちゃ美味しいのよ。久しぶりにビッククラブが食べれるわ」



 サラちゃんがニコニコと嬉しそうにしている。



 ビッグクラブとは海に住むカニの魔獣である。3mの大きなカニで、茹でるととても美味しいらしい。サラちゃんとオーベロンがついて行きたい理由は、ビッククラブを食べたいからであった。



 「サラ、本当か?」


 「本当よ。ビッグクラブのプッりとした身は、味わい深いものがありますわ」


 「エルフの国でも、たまにビッククラブが手に入ることがあるわ。何度か食べたことがあるけど、ビッククラブの身も美味しいけど、脳みそも格別の味だったことを覚えていますわ」


 「これは楽しみだな」


 「そうですわ。久しぶりにビッククラブを食べてみたいですわ」


 「俺も食べたいぞ」


 「あなたは浮気の反省をすることが先よ」



 オーベロンは妻に引きずられながら妖精の門に入っていった。オーベロンは引きずられながらも、ビッククラブを取ってきてくれと嘆願していた。オーベロンが今回八岐大蛇を倒す試練を選んだのはビッククラブを食べたいからであった。


 私たちは結局オーベロンに覚醒をお願いすることなり、雷光石はサラちゃんが受け取り、シュークリームとビッグクラブを後日持っていくことで、オーベロンは了承したのであった。


 


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