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人の墜ちた先

作者: ロザノ

――静寂が包む雪の夜

――誰も気に止めずただ過ぎ去っていく

――世間はただ忙しなく過ぎ去って

――そこに佇む孤独(ひとり)の私


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ピピピピ!ピピピピ!

起きろ起きろと騒々しく鳴り響く電子音。

まだ寝ていたいのにも関わらず段々と勢いを増す電子音。

そして我慢ならなくなって電子音を発する原因をチョップする。そうするとビックリしたかのように電子音が止み、今度は小鳥の囀りが聞こえてくる。

左を見れば眩しい陽の光が私を照らしていて右を見れば簡易テーブルの上に朝食らしきものが乗っかっている。

もぞもぞと動きながらベッドから落ちテーブルの寸前で止まる。毛布をベッドに戻してテーブルの前に座って朝食にかけられていた半透明の布を剥がし手を合わせ一礼し白い米粒を口に運ぶ。そして無機質な食事を取った後ゆるりと学校の制服を着て、ドアを開け1階に降りる。

なんてことないいつもの毎日、どうしようもつまらなく感じるのは私だけなのだろうか

歯を磨き顔を洗い髪を梳かし多少の肌のケアをして家を出る。

それが毎日毎日、同じことの繰り返し。

これは幸福なものなのだろう。幸せなのだろう。しかしなんの面白みもない。

電車に乗ってヘッドホンで音楽を聴く。


―――


…?ノイズが混ざる…いよいよスマホの限界か…?

そう思いスマホを軽く叩いてみる。

そうすると電気が走ったかのように頭に情報の波が押し寄せてくる。

その情報の量に吐きたくなってくる。だがその波を無理矢理飲み込み難を逃れる

…一体なんなんだ、この私に役に立てだの世界の為に働けだの。

…この周りにいる無表情でただ一点だけを見つめて突き進んでいる人達のようになれってか…そんなの死んでもお断りだ。

…いつの間にか自分が通っている学校に到着していた。

校門を通り自分の教室に向かい自分の席につく

…私の横を通り過ぎる冷たい風が少し心地いい。

私と同じように静かで独りで…少し悲しい風が。

何故悲しいのかは分からない。

だってそんなもの、愛を知らない私からしたら独りは当たり前でいつも行っている行為に過ぎない

いつもの授業、いつもの食事、いつもばかりでつまらない。

唯一の楽しみといえば人を見ることぐらいだ。

いつでも人を見てきた。でもどれも二次元の輝きからしたら物凄く荒んだものだ。

穢い者ばかり、クズばかり。

クズにも救える部分があるとずっと思っているがやっぱり無理な気がする。

…だけど、少しだけマシな人はいる。…世界でいえば0.0000001(100ナノ)%くらい?総人口とか知らないけど。

まぁ、それくらい少ない数ってことだ。…誰に向けて話してんだ私。

昼ご飯を片付けて次の授業の準備をする。

…どうしてこうも昼ご飯後は眠くなるのだろう。いや、原理は知ってる。文句として言っただけ。私はまだ起きていないといけないけども…

あ、無理だこれ…

そうして机に突っ伏して寝て現在、職員室で担任に怒られ中である。勿論大事なフレーズ以外の話は聞いていない。

…あぁ、いつも通りだ。つまらないつまらない、ずっとこのままなのだろう。


他の人が作った創作みたいな夢みたいなことは起こらない。ずっと、永遠に。


ただ、溺れて溺れて、何かを成し遂げることなく死ぬのだ。それが普通の人。


…あぁ、うん、普通だ。こんなことを思う私は普通なんだ。だから、


私は独りなのか


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