~もしも世界を好きにできたら~
--------神様って信じる?-------------
--------相変わらずありえない話が好きだな-------------
--------うん、大好き-------------
昼休み、校庭ではサッカーをしている男子が見える。
休み時間まで運動とはご苦労なことだ。
--------ねえ、もし私たちが神様になって、
世界を作り変えられるならどうしたい?-------------
長い黒髪のあいつが尋ねる。
あいつは高校デビューでショートカットにしていたが、個人的には黒髪が似合っていると思う。
--------全人類が俺を敬う世界にする。-------------
中二病真っ盛りの俺が答える。
今思うと耳が赤くなるほど恥ずかしい発言だ。
--------そっか、君らしいね。-------------
そんな答えにも彼女は笑顔で答える。
この笑顔が好きだった。とうとう言えなかったが。
--------お前だったらどう作るんだ?-------------
--------私?そうだなあ、私だったら-------------
彼女が口を動かす。
懐かしい、もう二度と戻れない過去だ。
あいつは空想の話が大好きだった。
俺はそれを悪態をつきながらもしっかり聞いていた。
今更思い出すなんて笑えてくるな。
……もし、俺が世界を作り変えられたら、もっと完璧な未来を作れたのだろうか。
腹部から感じる生温かさと鉄臭さに怯えながら、気が付けばあいつの好きだった空想に逃げ込んでいた。
初投稿作品です。
深夜に思いついたものをそのまま殴り書いています。