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母さんが住んでた家が日本過ぎるんだが






「まさか街の外に出ることになるとは……」




イリスさんに渡された地図の通りに歩いていると、外に出ていた。

まさかスラム街の人気のない所に地下通路があってそこから街の外に出るとは……僕の母さんは秘密基地感覚でとんでもないの作ってるな……。



知られたら不味いんじゃねと思ったらしっかり幻術掛けられてて普通の通路に見えるという……何なんだよこれ……。




「しかも森の中のど真ん中にあるのか……どうせここも幻術掛けられてるんだろうなぁ」




森のど真ん中って危なくない? と思いながら鍵を前に出してみると、目の前の景色が変わって家が見える。

うーん……何この日本の一軒家? しかも二階建て……。

どうしてファンタジーな世界に日本を持ってくるんですかね……?




「ここの扉も引き戸だし……」




鍵を開けて扉を左に引いて中に入ると、玄関があってその先に通路があり、奥に二階に続く階段があり、左右に引き戸の扉がある。

左の扉を開けるとそこは台所になっていて、四人くらいなら一緒にご飯を食べれるようなテーブルと椅子があり、キッチンもある。

鍋とかフライパンとかはもちろん、醤油や胡椒、塩などの調味料も揃っている。



そういえば母さんは料理が趣味だったからなぁ……僕もその影響で料理が出来るし。





「じゃあ右は……居間か」




通路に出て右の方の扉を開けると、絨毯(じゅうたん)が敷かれていて真ん中に床に座ると丁度いい高さのテーブルがある。

流石にテレビや電話は無いが、扇風機とエアコンと炬燵のスイッチがあるのにはどうツッコめばいいんだろうか……?

線は見つからないし、魔法的な何かで動いてるのかなぁ……?



もうやだここ日本と異世界が混ざってるぅ……。




「……って、うん? 何だこれ……?」




ふとテーブルを見ると紙が置いてあって、何かが書かれている。

何々……?




『基本はナイフで戦う事。それでも相手が強いと思ったら刀を持ちなさい。身体能力が上がるから』




それを読み終わると、紙は光に包まれ……鞘が付いた刀に変化する。

何がキーだったのかは分からないけど……理解できたことは一つ。




「僕がここに来ることを母さんは知っていた……?」




いや、でもどうやって……いくら何でも未来予知は出来ないはず……あっ。




「賢者……イリスさん……」




あの人ならそんな魔法が使えてもおかしくない……。

だとしても十六年先まで予知したって言うのか?

魔法ってのは恐ろしいな……そこまで出来たら神の領域じゃないか……。




「……駄目だ、考え過ぎたら頭が死ぬ……やめよう……」




それ以上考えたら思考が追い付かなくなってきそうなのでやめる。

まずは家を探索してみよう。
























「まさかお風呂にシャワーまで完備されてるとは……」




一階には台所と居間と風呂場と洋式トイレもあり、洗濯機まであって自分は異世界に転移していないんじゃないかと錯覚してしまったほどである。


二階には個人部屋が三つあり、全てが同じ感じだった。

……でも何で三人分なんだろう?

誰か住ませてたのかな?




気づけばもう夜になっていて、お腹が鳴る。

そういえば何も食ってなかったなぁ……野菜炒めでも作って……いや、パンしかないし合わないか。



そう、問題点があるとしたら米が無いのである。

母さんはそこも拘ると思ったんだけど……流石に無理だったのかなぁ。




「うーん……シチューかな」




シチューの材料はあったので、鍋を用意して調理し始める。























「さて……寝るかな」




シチューを食べ終わり、風呂にも入って寝ようとして布団に入る。

何か色々あったなぁ……異世界転移されたと思ったらしょぼいギフトを握らされて、使えないと追い出され、そしたら賢者に会って母さんのギフトが僕に遺伝されていてそれが強くて、母さんが残した家は日本と異世界が混ざってて……。



何かもう濃すぎない?




「そういえば日向と唯さんは大丈夫かなぁ……?」




落ち着いてから二人の事が気になってしまう。

唯さんは大丈夫だとは思うけど、日向がなぁ……僕に懐いてたし、親友だし。



何かで暴走してなけりゃいいけど……心配だな……。

だからって王城には行けないし……困ったな……。



僕も僕でこんなに心配性だったか……気づかんかった。




「……明日散策してみよう」




もしかしたら会えるかもしれないし。

そう思いながら僕は目を瞑った。


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