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友達のギフトが強い






光が晴れ、まず目に見えたのは立派な装飾がされた像。

次に高級そうな石造りの床。

何か金色とか混じってんだけど。



そして……




「うむ、成功のようじゃな」


「はい、沢山の勇者候補を召喚することができました!」




威厳のある声と、透き通るような高い声が聞こえたのでそっちを見る。

一人はいかにも王様だと分からせるような立派な服装をしたおっさん。

もう一人は綺麗なドレスを着た僕と同じくらいの歳の女性。



どちらも僕達の常識では異常だと感じた。




「あ、あの……ここは……?」


「ここはグレンシャル王国の王城です! 私達は魔王を倒すために優秀な才能を持つ人を求めていて、そのために貴方達を召喚させていただきました」




誰かがそう聞くと、女性は微笑みながらそう答える。

魔王を倒すためだけに僕達は召喚されたのか……完全に巻き込まれじゃないか。




「わ、私達は普通の人間ですよ!?」


「いえ、それはまだ目覚めてないからです……女神の泉に入ることで貴方達の中に秘められた才能が開花するのです!」


「お、俺達に魔王を倒すために力が……?」




ふむふむ、その女神の泉とやらに入ればいいのか……面倒な能力持ってなければいいけど。

ふと手を掴ませてたなと思い出し、見てみると……つまんなそうに聞いてる日向と不安そうな表情をしている唯さんがいた。

二人も手を掴んでいるの忘れてるな……言わないと。




「二人共、手を離しても大丈夫だよ」


「あ、悪い……しかし自分勝手にも程があるぜ」


「わわっ、ごめんね? でも、私達が戦えるのかな……?」




二人にそう言うと、手を離しながらも予想通りの事を言う。

そうだよね……まずはそこからだ。




「あ、移動するみたいだし、着いていこう」


「おう」


「う、うん……」




皆が女性の後に着いていくので、僕達も後を追った。





















「ここが女神の泉です……では、順番にお入りください」




案内されたのはこれはまた豪華な装飾がされた大部屋。

その中心に穴があり、中は綺麗な水で満たされている。



えぇ……この中に入るの?

絶対びしょ濡れになるじゃん。




そう思っていると、自分の才能が期待している人達が我先へと入っていく。

うーん……あんな一気に入って大丈夫なのかな?




「やった! 勇者だ!」




と思ってたらなんかイケメンが出てきてそう叫んでた。

ふむ、一人ずつ出てくるって事は順番に対処しているんだね。

女神さまとやらも大変なもんだ。



勇者か……それが女神の加護ってやつか?

スキル的な物なのかな?



それからも次々と出てきて魔導士だー、とか戦士だー、とか叫びながら出てくる。

中には鉄の体だー、だとかスキル的な物もやっぱりあるらしい。

職業とスキルが混ざってんのかね?




「ほら、日向と唯も行ってきなよ」


「お、おう……行ってくるぜ!」


「うん……良いのになりますように……!」




大体が終わってきたので僕がそう言うと、日向は元気よく行き、唯は祈りながら泉に近づいていく。

二人共入っていき、しばらく時間が経つと……




「えっと……『狂戦士』だって」


「『大魔導士』だって! 私凄いの引いたよ!」





二人共いい顔で出て来て、説明し始める。

『狂戦士』に『大魔導士』……二人共いいのを引いたみたいだね。




狂戦士は理性が保ちにくくなる代わりに破壊力がとんでもなく上がるらしい。

大魔導士は多彩な魔法と火力に長けていて、魔力も豊富らしい。




「凄いね……二人は優秀だよ」


「おう! 凄い力が溢れてくるぜ!」


「これが魔力なのかな……不思議な感じ」




僕が褒めると、二人は喜びながら自分の体の変化を感じている。

ふむふむ……いきなり変化が現れるんだ。




「さて、それじゃあ僕も行ってくるよ」


「ああ! 理樹ならいいの引けるぞ!」


「うん! 大丈夫だよ!」




二人のエールを受けながら、僕も女神の泉に入った。


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