何か授業中に光に包まれたんだけど
「なあ理樹、何で今日は自習なんだ?」
「いや、僕に聞かれても……先生の体調不良とかじゃない?」
教室で次の所を予習していると、隣から友人が話しかけてくる。
いや、理由なんて知らないし……興味もないよ。
僕は清水理樹。
どこにでもいる黒髪の平凡な高校一年生だよ。
得意な事と言えば料理くらいかな。
隣に座ってるのは立川日向。
整った茶髪に中性的な顔立ちで、僕の親友である。
男女ともに人気があるが、僕以外にはあまりつるまないらしい。
「何か風邪で休んでるらしいよ?」
「そうなの? ありがとう唯さん」
「ううん、いいよこれくらい」
後ろからそう言われたので振り向くと、微笑んでいる女子が見える。
彼女は渡辺唯。
金髪のロングに整った綺麗な顔、標準くらいの体に高校生とは思えない程の胸が存在感を出している。
その容姿から男子からモテてるけど、告白されても断ってるらしい。
中には学校一らしいイケメンからもされたらしいけど……何でだろうね?
後なんで僕みたいな平凡な人にも話しかけてくれるのか……優しいのか。
何て思っていると……
「な、何だ!? いきなり足元が光って……!?」
誰かがそう騒ぎ、足元を見てみると確かに光が見えた。
その光を視線で追っていくと……アニメとかでよく見る魔法陣に似ていた。
それを見た瞬間、嫌な予感がした。
勘で回避が出来ないと分かり、僕は無意識に日向と唯に手を伸ばしていた。
「二人とも! 掴んで!」
「あ、ああ!」
「う、うん!」
二人も突然のことで固まっていたけど、何とか僕の手を掴んでくれた。
せめて何が起きても逸れないように……!
光が更に強まり、眩しさで目を瞑ってしまう。
その瞬間、僕達は光に包まれた。