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エピソード2 ― 8.それぞれの想い

家族・兄弟愛・友情がテーマな少し謎めいたストーリー。人物紹介です。

「加賀はじめ」加賀家の長男、弟を支えてきた。いろいろ過去を抱えている。

「加賀昭次」幼い頃の記憶がないまま兄はじめを頼りに、時折記憶の断片に悩まされている。義斗に会い段々と思い出してきている。

「大竹成仁」はじめの働き先の後輩、姉の病気がわかるまでは荒れていた。姉を亡くし俊と二人で悲しみを抱えていく。

「大竹幸」成仁の姉、病気をわずらい亡くなる。俊と夫婦となった。

「神崎俊」幸と念願の結婚。母を幸と同じ病気で亡くしている。成仁と兄弟となった。

「井川忍」昭次の同級生、俊とは家が隣同士で慕っている。

「相田武・武威直人」昭次の親友。

「関義斗」俊のケンカ仲間、昭次とはじめの兄弟。小さい頃、昭次を連れ去る事件を起こしはじめとは疎遠となっていた。


隠れていた昭次が顔を覗かせる、明らかに聞いていた蒼白な表情・・はじめの顔も同じように青ざめる。


なに・・今の、話。

みんなが一緒にいられないのは、オレのせい?オレは、いらない子だったの?


「・・兄ちゃん、オレ・・ここにいたらダメだったの・・兄ちゃんの側に。よくわかんないけど、オレなんかやったの?・・義斗さんにも・・」


ゆっくりと近づきながら呆然と呟く昭次に慌てて弁解をする声。

「違う!おまえはなにも悪くない。なにも知らなかったんだ、悪いのはオレなんだよ・・」

「・・なんかしたんわオレや、おまえやない。覚えてへんのは嫌なことやから、べつに気にすることやない。忘れてくれや」


「今の忘れろって?冗談でしょ。みんな聞いてた、なんでみんな一緒に暮らせないの?オレ義斗さんが兄ちゃんだって知った時一緒に住みたい思ったよ。一緒に暮らせない理由あるんでしょ、やっぱりオレのせいなんだろ?」

黙り込むはじめと義斗、昭次が詰め寄る。


「・・さっき、兄ちゃんに聞いた。オレは兄ちゃんたちと母親違うって・・それがなんか関係あるの?」

どんとぶつかるように腕を掴む、はじめの表情に泣きそうになりながら叫ぶ昭次。


「オレのことやっぱり嫌いだったの?思い出せないんだよっなにも義斗さんのこと、思い出せないからっ・・」

思い出せない自分にいらついてその場に座り込む昭次、慌てて抱えるはじめ。


「昭次。落ちついて、くれ・・こうなったらもう何もかも話すから、今は俊のとこに戻ろう。それでいいな義斗、おまえが話したほうがいいだろ・・」


もう、ムリだと思った・・隠せられる雰囲気じゃない、昭次がいること忘れてこんなとこで話してる自分に嫌気が差す、ただでさえ義斗の存在で思い出す確立高かったってのに。


小さく頷く昭次、力なくはじめと義斗を見上げる・・二人の様子から、聞かないほうがいいと伝わってはくるけど、オレのことできっと二人はこんな状態になってるはずだから・・聞けば、きっと戻れるって思う。

それがどんなことだとしても、オレは絶えてみせるって思えたから。


「・・それでオレが納得したら、一緒にいられるよね?義斗さんも」


ふいにかかる声に、言葉に驚く義斗、そんなことを思ってたとは知らずはじめも固まる。


「・・そんなに急がんでも話聞いたら、気も変るわ絶対・・」

「オレは変わらない」


言いきる昭次に、顔をしかめる義斗・・はじめを睨む、話すなんて簡単に言いやがって。


「戻ろう。井川くんも」

そんな視線を避けながらはじめが話をとぎらせる。

昭次の後ろで見ていた忍、かなり場違いな自分に固まっていた。

「・・あっ、そ、そうだよね。加賀くん、俊兄大変だって言ってた・・早く行ってあげよ?」

小さく頷き立ち上がる昭次、引きずる足でうつむいたまま歩いて行く。


「昭次っ、義斗に乗せてもらえ。頼むぞ、先に行っててくれ」

「わかった。昭ちゃん・・乗ってや」

顔を上げる昭次、今にも泣きそうな表情に胸が痛む・・戸惑いながら、ゆっくりと後ろに跨る昭次。

「しっかり、つかまっとき。行くで」

言われるままに腕を回すと、ゆっくりと進んでいく・・知らず力がこもる昭次、小さく唇をかんだ。



緩やかに走っていくバイクを見送るはじめと忍。

「・・ごめんな、忍くん。へんなことに巻き込んで・・」

「こっちこそ・・盗み聞きみたいで、ごめんなさい。加賀・・昭次くんは大丈夫でしょうか?」

「大丈夫、もう受け入れられる歳だと思うし。辛いのは、義斗のほうだ・・」

小さく呟くはじめの言葉が聞こえてしまったが、聞きたいけどなにも聞けなかった。


義斗さんと加賀くんが兄弟だったなんて・・はじめさんも、三人が兄弟。

気になってしかたないことがある・・聞いてもいいかな、いいよね?


「・・昭次くんは、記憶がないんですか?はじめさんのことも覚えてなかったの?」


思いきって聞いてみると、一緒困った顔をしたが今更かとため息をついて笑うはじめ。

「・・交通事故でね。そのショックで。けどずっと昔の話だよ、あいつが小学生になる前の話・・」「義斗さんとはそれから会ってないから、知らないんだ・・思い出せないのかなぁ」

「・・昭次が思い出したいって言ってる。忍くん、さっきのことはもう忘れて。うちの恥だから」


小さく頷く忍、小さくため息をついた。

・・オレの話どころじゃない、よね・・けど、オレも大事のことだ。

早く元気な加賀くんに戻ってほしい、見てるしかできないけど。




バイクの音が小さく響く、義斗の背中にしがみつく昭次が声を上げる。

「・・義斗さん。オレの兄ちゃんだったんだね。なんで教えてくれなかったの?」

「全然会ったことないやつに兄やって言われてもわからへんやろ・・知らんでもいいことや」

「そんなことあるかっ。すごく大事なことだろっ!オレが記憶なくて悔しいってわかってないんだよみんなっっ」


怒鳴る昭次に言葉を無くす義斗。

普通にしとるのが当たり前になってるけど・・なんも覚えてへんのは、辛くないわけがない。


「悪かった・・あんまりいい思い出やないから、知らんでもええかと思ってな・・」

「・・それは義斗さんの思いでしょ、オレにはいい思い出かもしれないじゃん。オレ思い出すから・・絶対。それで義斗さんにもいい思い出にしてもらう。絶対だから」


誓うようにぎゅっと捕まる腕に力を入れる昭次。

義斗はただ前を見つめていた、そんなこと思いもよらなかった・・背中がアツい。


「・・小さい時はよう遊びに行ってた、はじめ兄と離れるんもさみしかった、親の都合やしかたなかったけど・・弟が出来るん知ったらむちゃ見たあなってな・・おまえ生まれた時もおったよオレ」


思い出して笑みがこぼれる、ずっとほしかった弟・・

けどオレにやなくて、兄のほうに・・そこまで無知でもなかったからわかってた、オレとも血が繋がった弟なんやってことは・・けど、ずっと一緒にはいられない・・兄弟だと思ってももらえんのやないかそんな不安がオレを加賀家と繋ぎ止めてた、母の目を盗んでよう行ってたわ。


「そんな・・だったらなんで一緒にいなかったんだよ。オレ夢見た小さい時の、仲良くしてた。だけどどんどん先に行っちゃうんだ兄ちゃんも義斗さんも・・オレ、一人で泣いてた・・なんだったんだろ、これって」

「なんやろな・・おまえおいて行ったことなんかないで。あれはおいてった言わへんやろし・・」


ふいに昭次の記憶に小さな男の子が現れた、いつか見たあの男の子。


あっ・・今、なんか見たような。

夢の中の、あの子・・もしかしてあれが義斗さん?オレ、いつも笑っててすごくうれしそうあの子と一緒だと。

やっぱり義斗さんとの記憶はオレにとって大事なことなんだと思う、義斗さんと話してるとなんか思い出しそうなんだ。


「今、小さい義斗さん見た。きっと義斗さんに会ったからなんか外れたのかな、楽しそうだったよオレ。早く思い出したい」


無邪気にそう言い笑う昭次に胸が苦しくなってくる・・

・・いいんか悪いんかオレにはもうわからん・・思い出してほしい、大好きと笑ってくれたあの笑顔が見れたらそれでええ・・それだけで。

そんな都合のええようにはいかんやろうけど・・


「・・よし、くん・・」

ふいに呼ばれるその呼び方に思わず止めるバイク。

「・・いま、なんて言うた?おまえ、もしかして思い出したんじゃないんか?」

「えっ、あっ。よしくん?なんか頭にあったから、そう呼んでたのかなぁって。そうなの?」

大きくため息をつき、うな垂れる義斗。


「ごめん、びっくりさせて。思い出すのはいいことだよね、そんな驚かなくても。よしくんかぁ、呼んでたらまたなんかでてきそう」

「・・ああ、あんまそれは呼ばれたない。このなりで、よしくんて・・」

「いいじゃん。オレのためだと思ってがまんしてよ、だめ?」

「しゃあない・・ええ性格になったもんやわ、かわいかったのになぁ」


笑い合う二人、今はそれを楽しみながら・・義斗は何かを覚悟していた。




ばたばたと世話しなく駆け回る大竹家に残る二人。

「・・はぁ、なんとか終わった。俊さん、大丈夫?」

「おう、一応な。それにしても・・どこに行ったんじゃあいつは」


ぐったりと寝転ぶ俊と成仁、手伝わずに消えていった友を思い忌々しげに呟く。

「ああ関さん?ホント、なんかケンカしてたから怒って帰っちゃったのかな?」

「そうかもなぁ、あいつは前からそうや。ケンカばっかや」


思い起こすのはそんなことばから、ケンカでしかあいつのことしらんへん。

オレらはそんなもんやそれでしかわかりあえんこともある。

あいつの性格もわかっとるがはじめとのことはわからん、そこまで嫌われるやつでもないのと思うが・・


「あいつ、はじめになにしたんやろな。こんな時にケンカしててほしないよなぁ幸・・薄情なやつや」

「でもなんだか深刻だったよ・・姉ちゃんが引き合わせたのかもな。世の中狭い」


偶然だとしても、それは小さな奇跡のように思えて姉を見つめ笑う成仁。

どうせならあの人たち仲直りさせてくれるといい・・きっと姉ちゃんの世話焼き直ってないと思うから。


外、バイクの音が鳴り響く。顔を見合わせる俊と成仁。

「あいつ、戻ってきたみたいやな。ちょう絞めたるか成仁」

「そうだね、二人分手伝ってって言ったのに。お客さんに対して失礼か?」

「ええ、ええ。約束守らんのはあいつが悪いんやから。言ったれ、どんどん」



玄関先、誰かと話してる声が聞こえた、誰かと一緒か?またはじめと言い合ってるんやないやろな。

早足で玄関を開けようとした時、顔を覗かせるのは昭次、その後ろに義斗が立っていた。


「あっ、昭次くん・・大丈夫?はじめさんは?」

さっきの今、お騒ぎして帰って行ったはじめたちを思い出し神妙に聞く成仁。


「・・後で来るよ、さっきはごめんなさい。せっかく手伝いに来たのにすぐ帰っちゃって」

「それはいいんだけど・・大丈夫だったの、先輩は」

「・・大丈夫だと思うけど、知らない・・それより、お線香上げさせてもらっていいかな・・」

「あっ、どうぞ。入って・・ありがとう」

小さく笑い首を振る、元気なく幸の眠っている部屋に向かう昭次。

心配げに見つめてる義斗に気づき、交互に二人を見つめる俊・・なんで今度は二人で来てるんや、まったく理解に苦しむわ。


「・・おまえ、どこ行ってやがった。一言言ってけや」

「悪い。ちょおへこんでたんでな・・」

明らかに、元気のない声・・また、なにかあったようだ。


「・・で、どうなったんじゃそれは」

「どうもならん・・もっと最悪かもしれんわ、昭次の記憶が戻るかも・・しれん」

「・・記憶」

昭次のほうを見る、そういえば小さい頃の記憶がないと聞いていた。


「戻るなら、いいことやないんか。どこが悪いんじゃ」

「悪いんじゃ・・最悪にな」

昭次を見つめて辛そうな義斗に、踏み込めない何かを感じなにも聞けなくなる俊。

「・・とにかく、上がれ」

無言のまま進む義斗の今までに見たことのない姿に、小さくため息をつく俊だった。


中に入ると昭次と成仁が並んで幸の前に座っていた、なんだか落ち着く。

「オレ、なにしたらいいのかな・・なにか手伝える?」

「一緒にいてくれたらそれで。姉ちゃんもうれしいと思うから・・友達とか知らないから、知らせもできなくて・・友達作らないようにしてたみたいだし」


聞こえた会話に俊が顔を覗かせる。

「オレも、あいつのダチ・・会ったことないわ。そんなふうに思ってたんか・・自分のことはわかってたいうことか、アホが・・人のことばっか考えて」

成仁の告げた初めて知る出来事に自分の至らなさを感じて腹をたてる俊。


「ほんならおまえのダチ呼んだらええ、おまえの奥さんの式なんやからおかしないやろ?」


ふいに関が呟く。

あ?オレのダチって、会ったこともないのにそんなの迷惑やろ。

「さみしいのより楽しいほうが姉ちゃんもうれしいと思う・・俊さん、呼んでよ」

「・・おまえわかって言ってんのか、こんな席に呼べるやつらじゃないわ・・」


こちらには知り合いなどなく、昔の仲間しかいない・・成仁は、実態を知らないから。

余計なこといいやがって関のやつ。


「大丈夫、俊さんの友達だろ?悪い人なんかいないよ。それに姉ちゃんも会いたいよきっと」

「連絡先知らん・・」


呼びたくなくて嘘をつく俊。


「ならオレが呼んだるわ。それくらいならオレにもできるで、まかせとけ」

意気揚々と電話に向かう義斗、あわてて止めに走る俊。


「あほっ、やめんかい。呼ばんでええっ!」

「なんでや、ええやろが。仲間に教えてもやらんのか結婚したこと。連絡とってへんのやろ?こんな大事な時にくらい呼んだれや」

「迷惑やろ、幸たちにも・・あいつらにも。こんな時だけ・・」

「迷惑なんて誰も思わんわっ。わからんのか、あいつら待ってるやんけおまえのこと。不抜けとるんや気合いれたれ」


引き止める手から力が抜ける、その隙に電話をかけてる義斗。

義斗の言葉に、なにか感じたのか俊はもう止めることはなかった、じっとその様子を見つめる。


あいつら・・オレのことなんてもう忘れてるんとちゃうんか・・幸、悪いうるさいのがくるかもしれんが、そいつらもツレやからあいさつくらいさせたってな・・


なにやら楽しそうに話し、電話を切るとどこか不敵に笑ってる・・なんや。

「今すぐ連れてくってよ、ありゃオレのほうも来るかもしれん。よろしく頼むわ」


びっくりして見開く瞳、無意識に掴みかかる手。

「なっ・・最悪や、おまえらんとこと一緒に来る?おとなししとるわけない、どうするんや」

「大丈夫や、そこまで常識なくはない。おまえとオレが止めればええことやろ、腹きめえ」

大きくため息をついた・・確かに、もう腹すえるしかないかもしれん。


「なにでかい声出してんだよ・・」

玄関から呼ぶ声が、振り返るとはじめがいた。

「・・あっ、はじめ。いらっしゃい・・入ってくれや」

「おまえら・・騒ぐなよ」

じろりと睨む瞳は、関へと・・やっぱ、まだあのままか。


「わかっとるわ」

「・・すんません。こいつが悪いんで、許したって・・っいた」

義斗に蹴られる俊、蹴り返す俊・・ケンカになって行く。


「やめろ、まったく。俊まで一緒になってなにやってんだ」

「ええんやこれで、神崎はこうで普通なんやから。気がまぎれるいうこと、わからんのかまじめくんには」

「・・誰が、なんだと?」

今度は義斗とはじめが睨み合う。


「あ、あぁ。はじめ、おまえも一緒やぞそれ。ほらもう上がれや。あっ、忍もおったんか。なにしてんの?まあええわ、入れ入れ」


義斗とはじめを引き剥がし奥へと連れて行く俊。

目の前で繰り広げられた戦いに忍も恐る恐るといった感じでついて入ってく。


「・・なにやってんのぉ。みんなして、うるさいなぁ」

「ホントだよ、幸さんゆっくり眠れないじゃん。静かにしろよ兄ちゃんも」


ぞろぞろと入ってくる三人に睨んでる弟たち。

「・・オレは静かにしてた。うるさいのはこいつだけ」

はじめが指を差すのは、もちろん義斗。

「ああ?」

またもや、始まるにらみ合い。

「もうっ。二人ともおとなしくしなよ。世話のやける兄ちゃんたちだなぁ」

さらっと流されそうな言葉、反応したのは・・はじめと義斗と、忍。

昭次はなんでもないと言うように笑っている、ハラハラしてる忍・・オレホントに場違いかも。


「ホント世話のやける兄ちゃんたちだよな昭次くん、教育し直すといいよついでに義斗さんも」

「言うやないけ成仁くんよ。まあ昭次ならまともになりそうだがな」

「わかった、教育してあげるから座ってください。俊さんもどう?」

「頼もうやないか?」

成仁と昭次の前にどかりと座る俊、三人で一緒に吹き出し大笑い。


「調子にのって・・昭次のやつ。少し明るなったか・・」

「・・よかったで、ホンマ」

ひとり言のように呟くはじめにつられたように義斗が口を挟む、思わず視線がぶつかり睨み合う。


「おまえ、ちゃんとしろよ。昭次のこと苦しめたら許さねぇぞ」

「言われんでもわかっとるわっ、いちいちうるさいでっっ」


「あーまたケンカしてる、いいかげんにしないと追い出すよ。ねぇ俊さん」

「そうやで、ええかげんに仲良くせえよ。ケンカなんてガキやな」

さっきまでケンカしていた俊に言われ、思わず顔を見合わせため息をつく。


「おまえに言われたないわぁ」

「おまえに言われたくない」


重なる二人の声に、びっくりしてる昭次。

俊と成仁は大笑い。


「・・あんたらいい大人が、しゃんとしてくれよ。オレらのが大人だよな昭次くん」

「昭次、成仁ぉぉ、おちょくるのもいいかげんにしとけよぉ」


「うわっ、キレるよ。逃げろ成くんっ」

「まずいな、後は任せた俊さん」

バタバタと立ちあがり、逃げていく二人。


「コラっっ、幸さんの近くで暴れるんんじゃないっ!」

「・・どっちがガキやいうんじゃ、たいした大人やで」


「アホばっかじゃな・・」


義斗の言葉にまた始まりそう・・一人あきれて見てるのは井川忍。

「・・いいのかなぁこれで。オレの聞いた話はどうなったんだろう・・空耳?聞き間違い?」



それぞれが胸に運命を抱え、事態は大きく動き出す・・大竹幸の葬儀の後、導きのように進んでく。



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