5話
ロザリアは地面から槍を引き抜くと、司祭へと駆け出す。
「な、何故なのです…!何故わからないのですか!?」
「貴様の言い分など知るかぁあぁぁぁぁあっ!」
司祭の悲痛な叫びを一蹴すると、高く跳躍をして槍を司祭へと降り下げた。
「何も知らぬ癖に邪魔ばかりしよって、この愚か者がああぁぁぁぁあ!」
槍が刺さる直前、司祭の背中がボコボコと波打ち始めたと思うと次の瞬間、背中から大蛇が這い出してきた。
「やっと姿を現したか、魔物!!」
出てきたものに臆する事なく、ロザリアは残忍な笑みを浮かべてそのまま大蛇の頭へと槍と降下するが、大蛇の尾によって吹っ飛ばされた。
「ロザリア!」
ルフルが心配そうな顔をするのと裏腹にロザリアはすぐに立ち上がり口の中の血を吐き出す。
「大丈夫だ。すぐに終わらせる」
「させるか!」
大蛇の一言で村人達がロザリアを殺そうと、一斉に襲いかかってくる。
「すぐに終わらせると言っただろう」
ロザリアがそう言うのと同時に身体から一気に冷気溢れ出す。
そしてー。
「全てを一瞬で凍りつかせろ!」
波動のように放たれた冷気は村人達へと襲いかかり悲鳴があがる。
耳を塞ぎたくなるような断末魔の後、やがて静かになり立っているのは司祭を始めとする村人五人とロザリア達だけとなった。