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95 登る ☆
ウチでは、猫のおもちゃは二ヶ所に分けて置いてある。
それは、猫のおもちゃが大量で、一つの箱に入らないからだ。
一ヶ所は食器棚の上、もう一ヶ所はケージの上である。
猫にとっては、食器棚の上には届かない。
しかし、ケージの上なら届くのだ。
猫は、おもちゃを求めてケージを登る。
一所懸命におもちゃを目指し、足をケージにかける。
そして、手を伸ばし、足をかける所を探しながら登る。
あと一歩だ。わたしは、猫を見守る。
よし!猫は登りきった。
猫は、おもちゃが入った箱を覗き込んでいる。
どんなおもちゃを持って来るだろう。
わたしは、ワクワクしながら猫を見る。
すると猫は、おもちゃ箱から顔を出し、ケージの上を歩きだした。
そして、ケージの端にたどり着くと、床に飛び降りてしまった。
おもちゃを探しに行ったのではなかったのか?
やはり猫は何を考えているのかわからない。




