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93 美容院の後
わたしが美容院へ行く時は、大体夕方だ。
それは、どうせ美容院で髪を洗ってもらえるのだから、その日は家で洗わないためだ。
ある日、美容院から帰って、お風呂に入ってから髪を洗わずそのまま寝ようとした。
そして、猫がいつも通りベッドへやってきた。
猫は、わたしの髪の匂いがいつもと違うと気づいたようだ。
猫は、わたしの髪の匂いを嗅いでいる。
そして、わたしの髪にじゃれつき始めたのだ。
わたしの頭に、猫は体ごとすりつける。
そのまま、手でわたしの髪をといているようだ。
まるで、マタタビに酔っているような行動に見える。
何故?
美容院のシャンプーにマタタビでも入っていたのか?
まさか、それはないだろう。多分……
しかし、痛い。髪を引っ張られているのだ。
しばらくすると、猫は酔いから醒めたように普通に戻り、わたしの横に座った。
一体何だったのだろう?




