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92 早い夜
ある夜、わたしは早めにベッドへ入った。
体がダルかったのだ。
いつもより早い就寝のためか、猫はベッドへ来ない。
そして、わたしがうとうとし始めた時、猫の運動会が始まった。
キッチンの方で何かを追いかけているような音がする。
ダダダダッザッザッ
うるさい。早く寝てくれないだろうか。
そう思った時だった。
猫はベッドの上へ駆け上がってきたのだ。
わたしを飛び越え、ベッドの右側へ。
ザザーッ
掛け布団がめくれていく。
猫は、そのままベッドの上で遊び続ける。
ザザッザッ
はぁ、わたしの体の上で遊ばないだけマシだと思おう。
それから少しして猫は、そのまま横になってしまった。
わたしより後から来たのに、先に寝るなんてずるい!
翌朝、ベッドの上には、猫が追いかけていたと思われる小さなボールが転がっていた。




