9 ワールドカップ
わたしはサッカーが好きだ。といっても、詳しくはないが。
しかし、ワールドカップは四年に一度だし特別だと思っている。
そして、今正にブラジルでのワールドカップ開催中だ。
今日は金曜日の夜、いや、土曜日になったばかりだ。仮眠を取って、十二時過ぎに起きる。
すると、猫も一緒に起きる。
猫は、お腹が空いたようで、わたしにすりよってくる。
しかし、いつもであれば寝ている時間だ。心を鬼にして、無視だ。
すると、だんだん猫のアピールが激しくなってきた。
わたしの膝に乗り、手に前足を絡め、舐めたり甘噛みを始める。
サッカーに集中できない。
仕方なくごはんを三粒程あげる。とりあえずは満足したようだ。
そして、わたしはサッカーに集中する。
ハーフタイムになったので、トイレへと立ち上がる。
すると、猫がわたしをじーっと見ている。わたしのベッドに伏せて、暗闇で目が光っている。
怖い。
おそらく、わたしが寝るのを待っているのだろう。
ごめん。サッカーが終わったら寝るから。と心の中で謝り、またテレビの前へ。
ふぅ、面白い試合だった。
ベッドへ向かうと、先程と同じ姿勢でわたしを見ている。
まさかずっとそのまま待って......?
「ごめんなさい」
わたしは、猫に謝った。