7 窓へ
あたしは猫。気ままなところが長所かしら。
あたしの楽しみは、窓から外を眺めることよ。
ちゃんと窓の前に踏み台が置いてあるの。え?キャリーバッグ?これが?まぁ、あたしには関係ないわね。
この窓から外を眺めていたら、この間、工事のおじさんからナンパされちゃったの。
「おい、猫だ!猫がいるぞ!」
ふふん、あたしの可愛さに参っちゃったのね。
でも残念ながら、好みじゃないのよね。ごめんね、おじさん。
ん?おじさん諦めないのかしら。それに、他にも人が来たわ。あたしったらモテモテね。
でも、あたしは外が見たいのよ。
向こうの窓へ行こうかな。
あら、ベッドにあたしのごはん係が寝てるわ。
出窓へ行くには、ベッドを横切るのが早いけど、迂回してあげるわね。あたしったら優しい!
あ!掛け布団が丸まっているじゃない!あの上を歩くのは面倒なのよ。仕方ないわ、こっちの方が歩きやすいわね。よっと。
「いたっ、痛い!いたたっ」
床が何か言ってるわ。まぁ、気にならないけど。
やっと窓に着いたわ。窓とカーテンの隙間に入るのがイイのよ。
ふぅ、気持ちイイわねぇ。
なんだか暑くなってきたような......
中へ入ろうかしら。
「暑かったの?」
べ、別に暑かったからベッドに倒れこんでるわけじゃないのよ。
そうよ!添い寝してあげようと思ったのよ!
感謝しなさい!