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692 重いよ ☆
わたしは本を読み始めた。椅子に座ってテーブルの上に腕を置き、のんびりと読書を楽しんでいた。
そこにやって来たのはウチの子。あれ? さっきまで寝てたよね? と、わたしは思うが、いつもより少し早く起きてきたようだ。まずは、わたしの足元に来て、伸びをする。それからわたしをじっと見る。これはいつものこと。そして当然のように、わたしを見上げてごはんの催促をする。最初はわたしの足に手(前足)をかける。わたしは、ちらりとウチの子を見てから、読書に戻る。しかし、それが気にいらなかったのだろう。今度はテーブルの上に乗り、わたしにすり寄ってきた。それを躱すわたし。焦れてきたウチの子は、わたしの腕にのし掛かった。腕が重い。そして、本を読みにくい。どうしたものか。いや、これはごはんをあげるまで動かないだろう。まだごはんの時間ではないと言うのに。結局わたしは本を読むのを止め、本をテーブルの上に置いた。わたしを見つめるウチの子。目をそらすわたし。ごはんの時間じゃないってば! 寝よう。わたしは、そっと席を立って、ベッドへ向かった。




