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68 サッカーボール
夜、わたしは寝ていた。
そして、寝返りをうつ。
すると、そこには猫がいた。
猫は、わたしの足元に丸くなっていたのだ。
猫の存在に気付いていなかったわたしは、寝返りをした拍子に、猫をベッドの上から蹴り出してしまった。
そう、サッカーボールのように。
「わぁ!ごめん!」
わたしは、猫を蹴ってしまったことに驚いた。
しかし、驚いたのは猫も一緒のようだ。
そして、猫は怒っていた。自分に仇なした相手(わたしの足)を許そうとはしなかった。
すぐに、わたしの足に噛みついてきたのだ。
「いたっ、痛い!ごめんってば!」
しばし猫との攻防は続く。
わたしの足を噛んだことで、ようやく猫も落ち着いてきたようだ。
わたしは、猫を撫でながら、再度謝った。
「蹴ってごめん。でも、痛かったよ」




