64 来客
友人がウチに来た。家飲みをするためだ。家飲みだと、安くつくのだ。
家のチャイムが鳴った。
すると猫は、玄関の前へと走っていく。
わたしが玄関の扉を開け、友人を招き入れると、猫は逃げる。
そして、ケージと窓の間に隠れる。
ウチの子(猫)は、人見知りなのだ。
猫はそのままにして、わたしと友人は飲み会を始める。
まずはスパークリングワインで乾杯だ。
飲み会を始めてしばらく経った頃、猫はやって来る。
友人がいることに慣れ、近づいてくるのだ。
まずは、わたしの足元に来る。そして、友人に近づいていく。
友人が手を出すと、尻込みする。まだ警戒しているようだ。
猫は友人の傍を通り過ぎる。見守っていると、猫は友人の荷物に近づいていく。
そして、匂いを嗅ぎ始める。角度を変え匂いを嗅ぎ続ける。終いにはバッグの中に顔を突っ込む。
ふんふんふんふんふん
「......なんか、ごめん」
「別に構わないよー」
友人は優しい。ありがとう!
お礼に猫を撫でさせてあげたい。
友人が手を伸ばし、猫を撫でようとする。しかし、猫は逃げる。
やはり猫は自分勝手だ。
でも仕方がない。猫は自由なのだ。




