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61 無視
ウチの子(猫)のごはんへの情熱は凄い。
わたしが家にいると、二時間おきくらいに、ごはんを要求する。
しかし、ごはんの時間は決められている。
そう簡単にはあげられない。
なので、わたしは猫を無視する。
すると、猫は、わたしが座っているところの前に伏せる。
わたしにお尻を向けて。
猫は、わたしに対して怒っていると示しているのだろう。
だが、耳がこちらを向いている。
わたしの動向を見逃すまいとしているみたいだ。
猫の顔はわたしとは反対側に向いているが、耳だけはわたしに向いている。
面白い。
わたしは、極力音を出さないようにする。
しばらくすると、猫はそんなわたしに焦れたのか、振り返る。
ふっ、今回はわたしの勝ちだ!




