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589 そこは ☆

 トイレへ行きたくなった。しかし猫はベッドにいなかった。ベッドに居ないと床で寝ていることが多い。わたしは摺り足で歩き始めた。猫を踏まないためだ。そしてなんとか踏まずにトイレへ到着。わたしはトイレのドアを開けた。すると猫がそこにいた。つまり、トイレの真ん前に。わたしは図らずも猫を追いやってしまった訳だ。

 真っ暗な中、どこへ行ったのかと思ったら、いた。寝室の小さなベッドの中に。このベッドを使っている所を見たことはなかった。もともと床が好きで、床をごろごろしているからだ。せっかく買ったのに……と思っていたが、まさか使っているとは思わなかった。一緒のベッドで寝ないのは寂しいが、猫用ベッドを使ってくれて嬉しかった。


挿絵(By みてみん)

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