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585 自粛 ☆
東京都が自粛を呼び掛けた。当然のことながら、わたしも猫と家の中でまったり。食料を買いに行ったけれど、それは仕方のないこと。それ以外の外出はしない。
なので、ベッドでごろごろ。すると猫がわたしの体の上に乗ってきた。猫も寝たいらしい。わたしの膝の上で丸くなる猫。一緒に寝るか、とわたしは思ったが、出来ない。トイレへ行きたくなったのだ。トイレ、トイレ……。わたしの体の上にいる猫のためにギリギリまで我慢した。が、もう限界。
「ねえ、トイレ行きたいんだけど」
猫へ話しかけるわたし。
よく見ると、猫の耳だけがこちらを向いている。つまりはわたしの声を聞いている訳だ。二度声をかけたが、動く気配がないので、無理矢理わたしは起きた。すると、猫は床へ崩れ落ちた。どうやら暑かったらしい。それなら早く退けばいいものを。
そのまま猫は床で伸びているのだった。




