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54 耳そうじ
ウチの子(猫)は病気で、右目から涙が流れ続ける。
そして、耳もまた、目と繋がっているのだろう。右の耳は黒く汚れている。
猫も痒いらしく、後ろ足で掻いていることが多い。
病院の先生に相談したところ、綿棒で耳の奥の汚れを取ってあげて、とのこと。
綿棒につけるイヤークリーナーを病院で購入して帰宅する。
早速やってみようと思い、猫を捕まえる。
イヤークリーナーをつけた綿棒を、耳の奥におそるおそる突っ込もうとする。
しかし、猫は耳を後ろに伏せてしまった。
やり辛い。
それでもわたしは、無理矢理綿棒を耳に突っ込む。
取れた。綿棒は真っ黒だ。
これで少しは痒さも軽減されるだろう。
わたしはほっとした。
しかし、それで終わりではなかった。
すぐに耳は黒く汚れてしまう。
これでは、頻繁に耳そうじをしなければ。
わたしは、イヤークリーナーを手に取る。
すると、猫はよほど嫌だったのだろう。
目を半眼にして逃げていった。
今後耳そうじをする時には、まず猫を捕まえなければならないだろう。




