534/715
534 行くの?
朝、わたしは起きてから会社へ行く支度をする。そんな時にウチの子はごはんの催促。「はいはい」と猫にごはんをあげるわたし。
しかし、わたしは支度をしなければならない。わたしが洗面室で顔を洗ったりしていると、ウチの子は洗面室の見えるテーブルの上で待っている。わたしが洗面室を出ると、「くう」と鳴く。「ごはん!」と言っているのだろう。わたしは少しだけ猫にごはんをあげる。そしてまた準備。今度はトイレ。またしてもトイレが見える場所で待っている猫。わたしがトイレから出ると、「くう」と鳴く。
そしてとうとうわたしの支度が調い、家を出ようとするとき、ウチの子は段ボール箱の横からそっとわたしを見つめる。
「行くの?」と言っているようで、居心地が悪くなる。でも行かなければ! 可愛い我が子を見ながら、わたしは「行ってきます」と出勤するのだった。




