532 ああ、そう……
わたしは働いてウチの子を養っている。当然のことなから、1日勤務。そうすると、1日のほとんどを会社で過ごすことになる。本当はウチの子とずっと一緒にいて遊んであげたい。でも仕事がなければ養うことが出来ない。ということで悩んでいる。
わたしは睡眠時間は長い方だと思う。が、そうしなければ疲れてしまうのだ。
わたしが家へ帰ると、ウチの子はドアに体をぶつけて、わたしの入室を待っている。この時ばかりは、にゃーとなく。
わたしはその声を聞いて、急いで家の中へ。すると猫は、なきながらわたしにすり寄る。
まず帰ってすることは、ごはんをあげて、トイレ掃除。自分のことは後回しだ。
それが終わったら、ようやく自分のごはんを食べる。そして、寝るための準備をする。それからは少し猫との時間があるが、大体はわたしは寝る。
「おやすみ」
電気を消してそう言うと、猫はわたしが寝ることがわかるようで、一切なきもせずに静かになる。
ある日わたしはトイレへ行きたくなって、ベッドから足を下ろした。
「くうううう!」
猫が凄い勢いでわたしに寄ってきた。
なんて可愛いんだろう! わたしと遊んで欲しいのか!
わたしは猫を撫でるが、反応がない。まさか……
「……ごはん食べるの?」
小さな声を出したわたしに向かって猫は、
「くう!」
と、元気よくないた。ああ、そういうことね。わたしにすり寄ってきたのもごはんのため。ウチの子は相変わらず元気だ。




