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53 腕枕
ある夜、わたしがベッドで横になると、猫がやってきた。
そして、わたしの左腕にのし掛かる。
寝やすい場所を探しているようだ。
すると、猫は、わたしの体と左腕の間に収まった。
そして、猫の頭がわたしの左腕に......
これは俗に言う「腕枕」だ。
わたしは、なんて可愛いことをするのだろう、と思い嬉しくなった。
猫に添い寝をしてもらい、わたしはニヤニヤしながら眠りにつく。
いや、眠ろうとしたのだ。
しかし、そのまま眠ることはできなかった。
猫の頭が重いのだ。
わたしは、左腕がしびれてきた。
もう限界だ。
わたしは、猫の頭をそっと腕からおろした。
猫は不満そうに、わたしを見ている。
「ごめん。だって重いんだよ」
わたしは、猫に言い訳をする。
猫は、気分を害したようだ。ベッドから降りていってしまった。
あぁ~、せっかくの添い寝が......
次は、腕枕なしでの添い寝をお願いしたい。




