513 そんなに? ☆
わたしが家に帰ると、当然のようにウチの子(猫)は出迎えてくれる。わたしの不在時間が長いほど熱烈に歓迎してくれる。尻尾も膨らんで、わたしにぶつかるようにすり寄ってくる。
とても可愛いと思う。わたしが洗面所に手を洗いに行くのもわかっていて、扉の前で待機している。
だが、わたしはわかっている。ウチの子の目的を。ごはんである。わたしからごはんをもらうべく、猫は待っている。一度にあげてしまうと全て一気に食べてしまうため、小分けにしてあげている。だから、食べ終わるとわたしのところへやって来る。
そんなある日、ウチに宅急便の不在連絡表が届いた。わたしは猫にごはんをあげ、電話で再配達をお願いしていた。すると、後ろでがさごそと音がする。わたしが振り返ると、猫がキッチンの台に上がり、ごはんの袋を漁っているところだった。
わたしはまずいと思い、ごはんの袋をキッチンの台からテーブルへ移した。が、それを見てテーブルに飛び移ってくる猫。今度はわたしはごはんの袋をキッチンの台へ。そして、猫との攻防は、わたしの電話が終わるまで続いた。
電話が終わったので、わたしがごはんを持って猫に見せた。すると猫は、「くるるるる」と文句を言っていた。
待たせてごめんよ。




