505 ビスコ事件 ☆
やられた……。わたしが久しぶりに飲んで帰った夜、事件は起こっていた。
わたしは飲んで帰ったが、帰った時間は夜の9時30分頃だ。それほど遅く帰った訳ではない。
わたしが玄関の鍵を開けると、ウチの子(猫)が出迎えてくれた。まずわたしがすることは猫を撫でること。それから家の中へ入り、手早く手を洗う。それからウチの子を存分に撫でてあげるのだ。ウチの子もそれをわかっていて、わたしが向かう先に洗面室の扉の前で待っている。そしてわたしが扉を開けると一緒に入ってくる。その後わたしはベッドに座って猫を待つ。猫はわたしに走りより、撫でてと言わんばかりに頬を突き出す。それが終わったらごはんの時間。
わたしはケージのある部屋へと踏み込んだ。すると足がジャリジャリとする。
何だ、これは!
わたしははっとした。目の前のホットマットの上にビスコの残骸があった。
なぜ!?わたしはビスコを電子レンジの中へしまっていたはずだ。まさか電子レンジの扉を閉め忘れた!?でも電子レンジは気をつけていたはずだ。まさか猫が自分で開けた!?それもわからない。
わたしは無言で掃除機をかけた。
ビスコが「小麦麦芽入り」だつたのは良かったのか悪かったのかわからない。
とにかく、出掛ける前は電子レンジが閉まっていることを確認しなければならないだろう。




