47 フロン○ライン
月に一度、ノミやダニを駆除、予防するために、猫にフロン○ラインという薬をつけている。
その薬は、固定電話の下の棚に入っている。
わたしが薬を出すと、猫は逃げる。
やはり薬は苦手なようだ。
わたしは、猫が逃げることがわかっているので、薬を箱から出し、すぐにつけられるようにテーブルの上に置く。
そして、猫が近づいてくるのを待つのだ。
わたしが猫を待つのは、追いかけ回しても無駄だからだ。
以前、猫を捕まえようと追いかけ回し、結局は捕まらず、わたしが疲れただけだった。
だから、猫が油断して近づいてくるのを、ひたすら待つ。
しばらくすると、猫はごはん欲しさに、わたしにすりよってくる。
今だ!
わたしは、猫をガシッと捕まえる。
猫は、異変を感じて逃げようとするが、そうはさせない。
わたしは、猫になんとか薬をつける。
猫は、わたしが手を離すと同時に逃げていく。
そして、ここからは、猫へのご褒美だ。
いつものカリカリではなく、ウェットフードをあげるのだ。
わたしが、猫のごはんの皿を手に取ると、猫は、わたしから逃げ出したことも忘れて、すりよってくる。
ウェットフードを猫に見せると、猫は、わたしにぶつかるようにすりよってくる。
もう薬のことは忘れているようだ。
さすが食欲魔神。
ごはんを出せば、ウチの子(猫)の機嫌はすぐに良くなる。
わたしにとっては楽だが、ごはんをエサに、ウチの子が浚われるのでは、と心配する今日この頃である。




