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419 音 ☆
音がする。わたしの枕元から。音を出しているのは猫しかいない。わたしは頭を捻って枕元を見た。猫はまたしても枕元に置いてあるコルクマットをかじっているようだ。
わたしが時計を見ると八時。明らかにわたしが寝坊した。だからといってコルクマットを朝ごはん代わりにしないでほしい。わたしはなんとかごはんを猫にあげてから、二度寝に突入……したかった。それを妨害したのは猫だ。またコルクマットをかじり出したのである。
わたしは猫を遠ざけ、ごみ箱を置いた。やれやれと思っていたが、猫はまだ諦めていなかった。今度はベッドの下からではなく上からかじり出した。タオルをかけて防御していたのに、上手くそれを捲っているようだ。
「こらっ」
わたしが声をかけると、少し反省しているように見えるが違う。猫は虎視眈々と狙っているのだ。
結局はごはんをもう一度あげる羽目になった。




