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40 朝?
猫にとって朝がきたらしい。
わたしを起こしたのだ。
時計を見ると、三時だ。
もう一度言う。午前三時だ。
わたしにとっては、朝ではない。まだ夜中だ。
眠い。わたしは、また寝るべくベッドに潜った。
すると猫は、わたしの枕元で、わたしを見ている。
そして、前足を枕に乗りあげて、わたしの顔の匂いを嗅ぐ。
ふんふんふん
鬱陶しくて眠れない。
わたしは、猫がいるのとは反対方向へ、寝返りをうつ。
猫は、わたしの顔の横に回りこみ、また匂いを嗅ぐ。
ふんふんふん
うぅ......眠れない......
猫はごはんが欲しいのだ。わかっている。
しかし、ごはんの時間ではない。
でも寝たい。
猫には、わたしの葛藤など関係ないのだろう。
わたしの周りから離れない。
仕方なく、猫にごはんをあげる。
また猫に負けた。
わたしは再びベッドに潜り込んだ。




