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38 眼科の定期検診

 ウチの子(猫)は、目の病気だ。

 眼科専門医に診てもらい、病気の名前もわかり、薬を飲んでいる。


 一生治らないし、薬の効果を確認するためにも、眼科専門医に一年に二回ほど通っている。


 眼科専門の病院には、猫専用の待ち合いスペースがある。

 わたしがそこに入ろうとすると、先客がいた。


 猫専用スペースなのだから、猫だろう。人間の赤ちゃんが乗るようなカートに入っているようだ。


 わたしは、とりあえず挨拶をする。


「こんにちは。猫ちゃんですよね?」

「えぇ、そうです。病院に来る度に暴れて大変なんです。」


 わたしは、カートの中を覗き込む。

 しかし、よく見えない。何かが邪魔をしている。網のようだ。


「あの、これって......」

「洗濯ネットですよ。捕まえようとすると威嚇するんです」

「そうなんですか。大変ですね」


 本で見たことはあったが、本当に洗濯ネットに入っている猫を初めて見た。


「そちらの猫ちゃんは、鼻が高くて美人ですね」

「そうですか?」


 鼻が高いって猫でも美人なのか?

 わたしは、猫を誉められて嬉しくなった。


 そんなことを話している時、暴れる猫ちゃんの診察の順番がきたようだ。

 わたしに会釈して、診察室へ入っていく。


 ウチの子(猫)の順番は、その後だったようだ。


 猫とわたしは診察室へ入り、猫をキャリーバッグから出す。

 すると、スタッフが猫をバスタオルで巻いたのだ。


 わたしは驚いた。以前の診察では、そこまでしなかったからだ。


 考えてみると、ウチの子(猫)の前に診察を受けたのは、先程の暴れる猫ちゃんだ。


 暴れるのを抑えるためなのだろう。

 ウチの子(猫)は暴れないのに......

 でも、お医者さんやスタッフは、多くの動物と接しているから仕方がないのかもしれない。


 わたしは、猫が可哀想になってきた。

 家に帰ったら、美味しいごはんをあげようと心に決めた。

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