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363 あなたの下よ ☆
わたしが粉状のスープに電気ポットからお湯を注いでいたときだった。猫がキッチンに上がってきた。スープカップはわたしが手に持っているので大丈夫だが、スープに入れようと食パンを出していた。わたしは慌てて食パンをビニール袋にくるんだ。
わたしは食パンをちぎってスープに入れたかった。だから出していたのだ。しかし猫が目の前にいては食パンを出すことも難しい。猫に食べられてしまうかもしれないからだ。
わたしは猫にキッチンの下に降りるようにお尻を押した。すると猫は電気ポットの上へ。
まあ、食パンを食べないならいいか、とわたしは食パンを出してスープに入れていった。猫はそれをじっと見ているが手だしはしなかった。
すると、電気ポットが沸騰し始めた。先程お湯がなくなったので、水を入れたのだ。シューとする音。猫も気づいて後ろを振り返った。
違うから!あなたのお尻の下からだから!
わたしは猫を電気ポットから下ろした。




