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32 目覚まし時計
朝、猫がわたしを起こしてくれる。
わたしの起床時間は六時だ。
猫に起床後、ごはんをあげているためか、猫の腹時計は正確だ。
子猫の頃の起こし方は可愛かった。
わたしの顔の横、つまり耳元でごろごろと喉を鳴らすのだ。
見た目は可愛いかもしれない。しかし、耳元で聞くごろごろ音は破壊的だった。
普通の目覚まし時計よりも威力がある。
わたしは、すぐに起きて、猫に喜ばれた。
それから少しして、猫は別の起こし方をするようになった。
わたしの枕元に目覚まし時計があるのだが、その横に座って鳴くのだ。
「クゥ、クゥ~」
ウチの子(猫)は、鳴く時、口を開けない。だから、くぐもった声になる。
その声は目覚まし時計よりも威力がない。わたしをすぐには起こせないのだ。
この頃は、目覚まし時計で起きていた。
そして現在、猫は学習した。
わたしの上に乗るということを。
わたしの上に乗り、それでも起きない場合は、体の上を歩く。
わたしは、痛くて目が覚める。
猫は、日々進化している。




