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301 当然? ☆
わたしがベッドで昼寝をしていた時だった。猫がやって来て、ベッドの下に座り込み、わたしを見ている。
「何?」
もちろん猫はわたしの問いかけには答えない。わたしがそのまま寝ようとすると、マットレスで爪研ぎを始めた。これは起きろとの指令だ。
わたしが起き上がり、ベッドの縁に座ると、猫がすり寄ってくる。そんな猫を撫でると、猫はわたしの手に頬を押し付けてくる。掻けとの指令だ。しばらく頬を掻いていると、猫は尻尾を立ててキッチンへ。当然わたしが着いてきていると思ったのだろう。そのままケージへ。ごはんの催促だ。
しかし、わたしはベッドに座ったまま。猫は振り返り、わたしが着いてきていないのを知ると、こちらをじっと見つめてくる。早く来いとの指令だ。わたしがベッドから立ち上がるのを見て、満足そうな猫。やはりわたしは猫の下僕だ。




