30 血液検査
血液検査で病院へ行くため、猫をキャリーバッグへ誘い込まなくてはならない。
ごはんをあげては駄目なので、ごはんが入ったように見せかけた小さい容器をキャリーバッグへ入れる。エアごはんだ。
すると、猫は騙されキャリーバッグへ入ってきた。
しかし、すぐにごはんがないことに気付いて出ようとする。そこを、わたしが捕獲しキャリーバッグへ押し込む。
なんとか成功した。
わたしは、病院の開く時間に合わせて家を出る。
猫とわたしが病院へ到着すると、すでに二組が待ち合い室で待っていた。
ウチの子(猫)の順番は三番目だ。
わたしは、猫の入ったキャリーバッグを椅子の上に置いて、横に座って待つ。
猫の様子を見ると、わたしを見上げて不安そうだ。
そして、ウチの子の順番がきた。
しかし、わたしは診察室には入れず、キャリーバッグごと預かるとのこと。
わたしは、診察室のガラス窓から様子を伺った。
ウチの子(猫)は、大人しく診察台の上で押さえられていた。
よく見えないが、注射器で血液を採られているのだろう。
そして、猫はキャリーバッグへ戻され、診察室から出てきた。
「とっても良い子でしたよ」
「ありがとうございます」
それはそうだろう。ウチの子は大人しいのだ。わたし以外の相手には。人見知りとも言うが。
無事に血液検査は終わった。結果は一週間から十日程度で出るそうだ。
支払いをして、先生にお礼を言ってから帰宅する。
家に着いて猫をキャリーバッグから出すと、わたしにすりよってきた。
その後、ずっと毛繕いをしていた。知らない人に触られたことが嫌だったのかもしれない。
そして、お待ちかねのごはんをあげる。猫は、凄い勢いで食べていた。お腹が空いていたんだね。
あとはワクチン接種だ。病院へ行くことはまだある。
頼むから、次は、素直にキャリーバッグへ入ってくれ。




